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iPhone 6製造工場を1周してみて分かったこと

若者の消費動向を知る意外な手

2014年12月11日(木)

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iPhoneを生産するペガトロン上海工場。ピーク時には10万人の従業員を抱えていた

 今週火曜日の夜、上海の自宅でネットのニュース動画を見ていたら、安倍首相が街頭演説で、「外国の企業がいよいよ日本に投資し始めた。あのアップルが最先端の研究開発を日本ですることを決めた」と述べ、これも円安の効果で、今後、外資の日本投資がさらに増えるとして、アベノミクスの成果を強調していた。その後に行われたアップルの発表によると、来年、横浜に研究開発の拠点を設けるとのことだ。

 そのアップル、製品の製造は上海やその近辺で行っているものが多い。アップルが自前で工場を持たず、EMS(電子機器受託製造サービス)と呼ばれる業態の企業に製造を委託していることについては、日経ビジネスの読者ならよくご存知だと思う。

 昨今、中国からタイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアに生産拠点をシフトする動きが出ている。ただ、アップルがここ数年、毎年発表するようになった前年のサプライヤーリストで公表している通り、製品の最終組み立てについてはなおほとんどが、EMSが中国に置く工場で行われている。

 例えばiPhone最大の生産基地はEMS世界最大手の台湾企業、鴻海(ホンハイ)精密工業の生産子会社である富士康科技(フォックスコン)の河南省鄭州市の工場、iPad最大の工場はやはり同社の四川省成都市の生産拠点にある。

 ただ、iPhoneの生産は上海でも行われていて、手がけているのはフォックスコンではなく、やはり台湾企業のペガトロン(Pegatron)。また、廉価版iPhoneとして話題になったiPhone 5cは上海とは地下鉄でつながっている江蘇省昆山市の工場で台湾企業のウィストロン(Wistron=緯創)が、さらに、アップル初のウエアラブル端末として注目されるスマートウオッチApple Watchの製造は、やはり上海に隣接する江蘇省常熟市の工場で台湾企業のクアンタ(Quanta Computer)が行っている、といった具合だ。

秘密主義が徹底しているアップルの工場

 私はこれらEMS企業の情報サービスを提供するニュースサイトの編集をしているので、EMS企業を訪問する機会は多い。ただ、EMSは顧客との守秘義務から、工場の中まではなかなか見せてくれない。

 この点において、最も徹底しているのがアップルから製造を委託されているEMS。例えば、中国の工場でiPhone 5cのプラスチック製筐体を製造しているある米国系EMSでは、同社の日本法人幹部ですら、「あなたの部署とは関係ないから」と言って、生産ラインのあるエリアには立ち入らせてくれないそうだ。

 だから私は悔し紛れに、時間を見つけては、アップルの製品を製造している工場の周囲をぐるっと一周することにしている。だからと言って、工場から出てくるゴミの中に、次世代iPhoneの手がかりになるようなものがあるというわけでもない。それでも、工場で働く10代、20代の若い工員たちの様子を見たり、工員相手の店をひやかしたりすることで、見えてくるものもある。

コメント2件コメント/レビュー

10年程前になりますが、深センの隣の東莞にEMSの工場があり新製品の立ち上げとかに何度か行っていました。工員たちの大部分は工場内の寮に住み工場に引きこもっていました。仕事が忙しく休みが少ないと言う事情もありましたが、当地が小さな犯罪が多数発生する治安が悪い所であり地方からの出稼ぎとはいえ中国人でさえ表を歩くのが憚られるような所でした。街の見た目は普通のよくあるような街でしたが、工場の従業員相手の様なお店は少なかったですね。工場に出張で来る外国人相手のお店は多数ありました。工場入口は警備員と高い塀で囲まれたある意味刑務所にも見えなくもない外観で高層アパートの様な寮とスーパーと食堂と運動場と塀の中は小さな町さながらでした。休憩時間にはバレーやバスケが盛んで夜はカラオケが聞こえていました。その辺はガス抜きなんだろうなと漠然と思っていました。当時の工員の給料では工場の外で満足にお酒も外食も買い物もできなかったと思います。ケータイを持つのも一苦労。恐らく仕送りで給料が消えてしまう人が殆どだったのでしょう。今は給料も上がり外で買い物もできる余裕ができているのでしょうね。そうとなれば彼らの生活を見れば何かが見えるというのも納得です。(2014/12/15)

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「iPhone 6製造工場を1周してみて分かったこと」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

ノンフィクションライター

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

10年程前になりますが、深センの隣の東莞にEMSの工場があり新製品の立ち上げとかに何度か行っていました。工員たちの大部分は工場内の寮に住み工場に引きこもっていました。仕事が忙しく休みが少ないと言う事情もありましたが、当地が小さな犯罪が多数発生する治安が悪い所であり地方からの出稼ぎとはいえ中国人でさえ表を歩くのが憚られるような所でした。街の見た目は普通のよくあるような街でしたが、工場の従業員相手の様なお店は少なかったですね。工場に出張で来る外国人相手のお店は多数ありました。工場入口は警備員と高い塀で囲まれたある意味刑務所にも見えなくもない外観で高層アパートの様な寮とスーパーと食堂と運動場と塀の中は小さな町さながらでした。休憩時間にはバレーやバスケが盛んで夜はカラオケが聞こえていました。その辺はガス抜きなんだろうなと漠然と思っていました。当時の工員の給料では工場の外で満足にお酒も外食も買い物もできなかったと思います。ケータイを持つのも一苦労。恐らく仕送りで給料が消えてしまう人が殆どだったのでしょう。今は給料も上がり外で買い物もできる余裕ができているのでしょうね。そうとなれば彼らの生活を見れば何かが見えるというのも納得です。(2014/12/15)

大変勉強になりました!おもしろかった。(2014/12/12)

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野口 悠紀雄 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問