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見事に空回りする朴槿恵政権

「分水嶺の韓国」を木村幹教授と読む(2)

2014年12月18日(木)

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 「朴槿恵(パク・クンヘ)政権はなぜ、空回りするのか」――。木村幹・神戸大学大学院教授が「指導力」から解き明かす(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

日本がうらやましい

木村幹(きむら・かん)
神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作は『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)。ホームページはこちら。(写真:鈴木愛子、以下同)

鈴置:総選挙で自民党が勝ちました。韓国メディアは露骨に不快感を表明しています。いろいろ理屈をつけていますが、要は「極右のアベが首相を続ける。『慰安婦』で日本に頭を下げさせるなんて当分、不可能になった」との不満からでしょう。

木村:もう1つ、この総選挙に関しては興味深い反応がありました。韓国人、ことに何らかの形で政治に関わっている一部の人たちから「必要な時に国会解散・総選挙によって民意を問える日本がうらやましい」との声が聞こえてきたことです。

 こういった発言の背景にあるのは、政治や社会の閉塞感が高まっているのに、自らの政治的意思を示すことで打破できない、とのいら立ちだと思います。

 韓国の大統領は法律違反などの理由で弾劾されない限り、5年間の任期を全うします。また、大統領には任期4年の国会を解散する権利はありません。


87年体制の崩壊

鈴置:閉塞感が高まってきた2014年秋には、憲法改正論が韓国紙に登場しました。「87年体制の終焉」という言葉も登場しました。日本の政治用語「55年体制」をもじったものかもしれません。

 日本から独立した韓国は、1948年に米国の指導の下、民主主義国家の形をとって出発しました。でも、2度にわたる軍人のクーデターで権威主義的な体制――いわゆる軍事独裁が30年近くも続きました。

 言論の自由は大きく制限されました。拷問も当たり前のように行われるなど、民主主義とはほど遠い状況でした。ちなみに1961年に1回目のクーデターを主導したのは、朴槿恵大統領の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)少将です。

 朴正煕政権時代の1972年以降、大統領は与党に有利な間接選挙で選ばれるようになりました。大統領がちゃんとした直接選挙で選ばれるようになったのは、1987年の民主化からです。そもそも、民主化運動を進めた側の最大の要求が「直選制」だったのです。

 民主化後、初の選挙では保守が政権を維持しました。しかし、10年後の1997年の選挙で初めて革新が勝ち、いわゆる政権交代も実現しました。

 韓国人は第2次大戦後に独立した国の中で、経済成長だけではなく民主化にも成功したまれな例、と自らを誇るようになりました。

 しかし最近、閉塞感が社会に広がると、憲法を改正して今の政治システムを変えねばならぬ、との主張が出始めたのです。

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「見事に空回りする朴槿恵政権」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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