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たとえ危険でも、老朽原発を再稼働させようとするワケ

「新しい原発の方がより安全なのは当たり前」だが…

2014年12月19日(金)

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 関西電力が12月16日、福井県高浜町にある高浜原子力発電所の1、2号機で進めている「特別点検」の様子を報道陣に公開したというニュースが流れた。原子炉内の溶接部分を遠隔操作のロボットで調べたり、格納容器の壁の塗装の状態を作業員が目視で点検したりする様子などを記者に見せたそうだ。

 原子炉建屋のコンクリート壁を深さ5センチほどくりぬいて、中の鉄筋に異常がないことも強調したらしい。狙いはもちろん、40年経った同原発の1号機が、稼働には何の支障もないことを世の中にアピールするためである。

 関西電力は11月末、運転開始から40年が経った高浜1号機と、来年で40年になる高浜2号機について、20年の運転延長を目指す方針を発表した。2015年春にも原子力規制委員会に再稼働の審査を申請する意向で、そのために必要な手続きとして、特別点検を実施したのだ。特別点検の結果を受けて、原子力規制委員会が認めれば、1回に限って最長20年間、運転を延長できるとしている。

 なぜ、運転開始から40年を経た老朽原発を稼働させようとするのだろうか。

 日本経済新聞によると、関西電力の八木誠社長は11月26日に開いた記者会見で、「高浜1、2号機はほかの電源より競争力がある」と運転延長に踏み切る理由を説明した、という。稼働年数が長い原発の方が、新しい原発に比べて減価償却が進んでいる。

 つまり、古い原発の方が財務上、発電コストが低くなるため、利益を多くあげられるというわけだ。2012年3月期以降2014年3月期まで赤字が続いている関西電力からすれば、赤字脱却のためには儲かる原発を優先的に動かしたいと考えるのは、ある意味当然だろう。

 だが、この論理は、安倍晋三首相が掲げる政策と相入れるのだろうか。

 安倍首相は原発について、安全が確認されたものは再稼働すると繰り返し述べているが、一方で、「原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの規制基準で徹底的な検査を行う」とし、その検査に適合すると認められなければ稼働しないとも言っている。

安全性は経済性に勝る

 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓は、経済性を優先して安全性が疎かになるような事は許されない、という事だ。再稼働を進めるのは、世界で最も厳しいレベルの規制基準に照らして安全といえる原子炉に限るべきなのは言うまでもない。

コメント6件コメント/レビュー

“安全”という判断は全てのリスクがコントロールされているという事.その一方で福島第一では未だ事故の収束に至っていない.つまり現時点でもリスク封じ込め(大なり小なり事故が発生した場合に被害の拡散を防げる)が出来ていない,そのような技術を持ち合わせていない事を意味する.また使用済み燃料の処分方法,老朽炉の処分方法然り.原発再稼働を主張する際は今抱えているこれら問題を解決する方法を明示し,セットとしてその持論を展開すべき.解決方法が無いまま再稼働する事は即ち福島の事故前と同じ事を意味すると言えよう.(2015/02/02)

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「たとえ危険でも、老朽原発を再稼働させようとするワケ」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

“安全”という判断は全てのリスクがコントロールされているという事.その一方で福島第一では未だ事故の収束に至っていない.つまり現時点でもリスク封じ込め(大なり小なり事故が発生した場合に被害の拡散を防げる)が出来ていない,そのような技術を持ち合わせていない事を意味する.また使用済み燃料の処分方法,老朽炉の処分方法然り.原発再稼働を主張する際は今抱えているこれら問題を解決する方法を明示し,セットとしてその持論を展開すべき.解決方法が無いまま再稼働する事は即ち福島の事故前と同じ事を意味すると言えよう.(2015/02/02)

福島の事故に於いてでさえ政府、東電が全般的に責任を取ろうとしていない現状で稼働期間を延長して事故が起こった時に誰が責任をとるのか?福島の事故を起点に考えないといけない。経済を優先するのか国民の命を優先するのか。5月の福井地裁大飯原発再稼働禁止の判決をどのように評価しているのか。延長派の方に聞きたい。目先の儲けでリスクは未来に預けるのは如何なものか。(2014/12/25)

原発は廃炉にすればよいと主張するかたが多いですが、廃炉にする技術は誰が開発してくれると考えているのでしょうか??中国にでも依頼するつもりなのでしょうか?(2014/12/19)

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