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絶対引っくり返されない経営とは

震災で飛躍したカリスマ農家

2015年1月16日(金)

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 自分の仕事は広報マン――。こんなセリフを明るく言える有機農家がこれまでいただろうか。都会が嫌いで、自然が好きで、土にまみれて野菜をつくりたい。有機農家ならふつうそう話す。茨城県土浦市の久松達央にインタビューすると、そうした常識をやぶる農業の新しいかたちがみえてくる。

「総合力で売る」と話す久松達央さん(茨城県土浦市、写真は久松農園提供)

 有名な人なので前置きは手短にするが、久松は帝人に勤めたあと脱サラし、15年前に農園を開いた。農薬も化学肥料も使わずに約50品目をつくり、飲食店や個人に直接売る。面積は4ヘクタールで、多品目の有機農家としては十分に大きい。

 最初の質問は、どうやって顧客を確保しているかだ。

 「まずマスに対して売っていない。マーケット全体を調べ、『いまこれが受けている』『これからこれが受けそうだ』という統計調査にもとづいて仕掛けているわけじゃないんです」

 「この間、飲食店の人と話していて、非常に似ていると思った。彼はすべての客の顔が完全に見えている。だからこの人たちを満足させればいい。客が何を求めているかは、顔に書いてある。そう言うんです」

 「いま、うちの契約数は250件くらい。15年やっているから、まるっきり知らないお客さんは少ない。その人たちが怒ることがあればやめればいいし、喜んでくれたらそこを伸ばす。みんなちゃんと意見を言ってくれます」

大事なのはスペックじゃない

 転機の1つになったのが、2011年の東日本大震災と原発事故だ。契約の急減を経験し、経営にとって何が大事かを見つめ直した。

 「震災前に150件近くあった契約が、2カ月で40件以上減りました。そのとき気づかされたのは、大事なのは、もののスペックじゃないということ。一定のクオリティーを保つのは当たり前です。ただ、おいしい品種を選び、旬の時期につくり、鮮度よく届ける。これを守っていれば、どはずれすることはない」

 「天候の影響で振れるけど、零点と100点の間じゃなくて、70点と100点の間の振れです。さらに、これは出荷しないという一線を設けておけば、ひどいものがお客さんに届くことは絶対にない」

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「絶対引っくり返されない経営とは」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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