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「誰かに認めてほしい」という欲求をプラスに向けよう

第11回:教育と起業家精神が日本を支えてきた

2015年1月19日(月)

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暗殺予告犯の逮捕により、今度は報復行動のリスクが高まった。緊張の夜が明け、ついに大学院開校式の朝を迎えた。護衛に守られながら、税所篤快さんと米倉誠一郎先生が会場に向かったものの、所定の時間になっても参加者は少なく場内は閑散としていた。開校式はどうなるのか?(前回の記事はこちらをご覧ください)

 カラシニコフ銃を持った5人の屈強なソマリ兵たちが、会場となるホテルの入り口を固めました。2014年11月6日。いよいよ大学院の開校です。

 会場には日本とソマリランドの国旗が誇らしげに掲げられています。「おいおい。こんな目立つことしなくていいのに」。襲撃にビビる僕の心臓は徐々に鼓動が速くなっていくようでした。

 犯人グループらしきメンバーたちの写真を警備の兵士らに見せて、招待客に紛れ込まれないように徹底しました。最悪の事態を避けるために、僕自身の後ろにもぴったりと兵士がついてくれました。

 前日は緊張と恐怖のせいかほとんど眠ることができず、明け方にうつらうつらしただけでした。まどろみながら見た夢はなんと、基調講演中の米倉誠一郎先生に向けて過激派がマシンガンを連射するというものでした。

 「先生、万が一のときは床に伏せて、攻撃の第1波をよけてください」

 寝不足の充血した目を見開きながら、僕はそう先生に伝えました。

 ある国連職員が僕に伝授してくれた防衛方法は「攻撃の第1波をよける」でした。過激派の攻撃で友人を亡くした彼は「テロは、第1波が最も殺傷力が高く、第2波以降の攻撃は勢いが衰える」と口を酸っぱくして教えてくれました。

ソマリランドの現地高校での授業風景。普段は平和な国なのだが…

 しかし米倉先生は、「いいか。人生はすべて巡り合わせだ。死ぬときは死ぬんだから堂々としてろ。胸を張れ!」 と、逆に僕の背中をバンとたたいてくれました。

 夕闇が迫り時刻は午後6時過ぎになろうとしています。招待状には18時からスタートと書かれているにもかかわらず、なんと200人収容の大ホールには僕と米倉先生しかいません。

 テロとは違った「嫌な予感」が、僕と米倉先生の頭をよぎります。

 「なあ、アツ、本当に今日だよな?」

 広いホールにたたずむ2人の姿を、テレビ東京のビデオカメラのテープが空しく記録しています。綺麗に飾られた「日本ソマリランド大学院」の看板だけが空しく輝いて見えます。

 「はい。招待状には18時とちゃんと書いています」

 30分後。18時半になっても会場は人影がまばらで、200席にパラパラと人がいる程度です。

 「やばい。このままだと開校式として成り立たない!」

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「「誰かに認めてほしい」という欲求をプラスに向けよう」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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