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「新しさ」は、ファッションの売りに、なりません。

ミナ ペルホネン デザイナー 皆川 明さん(1) 

2015年1月23日(金)

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川島:皆川さんがデザイナーを務める「ミナ ペルホネン」というブランド、スタートしたのはいつでしたっけ?

皆川:1995年。今年で20周年です。

川島:なんと! もうそんなに経ちますか。

皆川 明(みながわ・あきら)
ファッションブランド「ミナ ペルホネン」デザイナー
1995年に「minä(2003年よりminä perhonen)」を設立。独自のストーリー性をもつスケッチや絵から始まり、それをもとに織や刺繍やプリントなど、多様な技術を用いてオリジナルデザインのファブリックを作るところから服作りを進める。2006年「毎日ファッション大賞」を受賞。自身のコレクションだけにとどまらず、LondonのLIBERTYやSwedenのホームテキスタイルブランドKLIPPAN、世界的なテキスタイルメーカーであるデンマークのkvadratにデザインを提供している。(写真:大槻純一、以下同)

皆川:ええ(笑)

川島:私が20代だった1980年代、日本はファッションの時代でした。数多くのデザイナーズブランドが誕生し、マルイのバーゲンには長蛇の列ができ、町は奇抜なファッションの男の子や女の子で埋め尽くされていました。でも、あのときたくさんあったデザイナーズブランドの大半はどこかにいってしまいました。皆川さんがミナを始めたのは、むしろそんなファッションブームが終わったバブルのあとですね。

皆川:はい。

川島:一方で、ヨーロッパのデザイナーズブランドは今でもずっと元気がいい。なぜ、日本のファッションは衰退しちゃったのか。違いはいったいなんなのか。ファッションブーム以降の担い手である皆川さんに、ぜひ、移ろいやすいファッションというビジネスを永続させるためのキモを今日はうかがいたいなあ、と。

皆川:わかりました。なんでも聞いてください。

軽やかに柔らかに自由に飛ぶ蝶のように

川島:そもそも皆川さんのブランド、「ミナ ペルホネン(以下、ミナ)」。何語なんですか? なんとなく北欧っぽいような。

皆川:フィンランドです。

川島:やっぱり!

皆川:フィンランドは若い頃に訪れて以来、すごく愛着を抱いている国なんです。「ミナ」は、フィンランド語で「私」。一人称のことを指します。それから、「ペルホネン」は「蝶々」。蝶の持っている軽やかな美しさをデザインで表現したいなあ、と。それから、蝶ってたくさんの種類がいますよね、蝶の種類が多様であるように、僕たちのデザインも無数に、多様に、広がり羽ばたいていく。そんなことを願って名付けたんです。

川島:それで「ミナ」の洋服や生地のあちこちには、蝶々が飛んでいるんですね。

皆川:ええ。今まで数多くの蝶々を生み出しました。軽やかに自由に飛び、花や枝で羽を休める蝶の姿を借りて、その周辺に生まれるやわらかな空気を描きたいなあ、と。

minä perhonen(ミナ ペルホネン)

1995年にデザイナーの皆川 明により設立されたファッションブランド。オリジナルの図案によるファブリックを作るところから服作りを進める。国内外の生地産地と連携し、素材開発や技術開発にも精力的に取り組む。東京スカイツリー(R)や青森県立美術館、金沢21世紀美術館のユニフォームデザインを手がける他、近年は家具やテーブルウェアなどのインテリアプロダクトや、ステーショナリーなどファッションの領域を越えたデザインプロダクトも発表し、コラボレーションも多数。ブランド名は、フィンランド語で「minä」は「私」、「perhonen」は「ちょうちょ」を意味する言葉。蝶の美しい羽のような図案を軽やかに作っていきたいという願いを込めている。ブランドロゴは、「私(四角)の中のさまざまな個性(粒の集合)」を表す。

2014S/S “choucho”
2012-13A/W “hana hane”
2008S/S “kakurenbo”
2008S/S “forest wing”
2007S/S “papillon”
2012-13A/W “sky flower”
2003S/S “planetarium”
当連載から新刊できました!
社長、そのデザインでは売れません!

自動車、家電、IT機器からソフトウェア、飲食サービスまで……。日本から「かっこいい商品」「売れる商品」「素敵な商品」が生まれなくなったのはなぜか?
その理由は、日本の経営者がデザインを経営の中核に置くことを怠ったからだった。
どうすれば、日本の商品が消費者にとって魅力的なものに生まれ変わるのか。伊藤忠ファッションシステムで長年流通業を研究し、ifs未来研究所の所長として、百貨店や老舗和菓子、化粧品などと協業企画を実践する、川島蓉子が、3人の経営者、3人のデザイナー・クリエイターに、「デザインを生み出せる経営のあり方」について訊く。
登場するのは、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗昭社長、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長、伊藤忠商事の岡藤正広社長、広告から企業のブランディングまでを手がけるクリエイターの佐藤可士和、アウディのデザインで知られる和田智、アメリカのMITメディアラボの副所長を務める石井裕。
日本が「売れる、愛される、かっこいい」を取り戻すための処方箋。

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「「新しさ」は、ファッションの売りに、なりません。」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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