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「アサヒ」が駄目なら「クワタ」がある

韓国の対日工作を読む

2015年1月22日(木)

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 「サザンオールスターズをソウルに呼ぼう」――。韓国紙にこんな記事が載った。「慰安婦」を通して韓国の対日工作を読む。

「アベの暴走を批判するサザン」

鈴置:興味深い記事が朝鮮日報に載りました。「日本の歌手、クワタのソウル公演」(1月7日、韓国語版)です(注1)。

(注1)有料読者だけが読める。

日本語版だと「桑田佳祐のソウル公演」という見出しの記事(1月11日)ですね(注2)。読んだ日本人も結構いると思います。

(注2)有料読者だけが読める。

鈴置:筆者は鄭佑相(チョン・ウサン)政治部次長です。要約します。

  • 桑田佳祐と彼が率いるサザンオールスターズは1995年夏に、韓国語が入り混じる曲をリリースし「オモニが言った麗(うるわ)しLOVE KOREA」と歌った。日本人が最も愛する歌手がなぜ、これほどに親韓的なのか、彼自身が説明したことはない。
  • ほぼ20年たった2014年12月、このバンドはNHKの「紅白歌合戦」で『ピースとハイライト』を歌った。音楽的にも社会的にも絶対的に尊敬されている桑田が、安倍晋三政権の暴走を批判した歌だ。
  • この数日前には、コンサート会場を訪れた安倍首相に対し、桑田は「衆院解散なんて無茶を言う」と歌って直撃した。
  • 桑田の歌は、慰安婦強制動員などの明白な歴史的事実すら否定する日本に自省を促す。だから天下の桑田も、日本で「韓国で歌え」と批判されている。
  • 桑田は韓国にも大勢のファンを持つが、来韓講演はまだない。桑田と意思を同じくする韓日両国の歌手がソウルのステージに立てば「平和のコンサート」になる。
  • それは東京公演にもつながるだろう。形式的な韓日首脳会談より、歴史と現実に踏み込んだ人々の連帯が必要だ。

「朝日の後退」に困惑

桑田佳祐氏は「慰安婦は強制連行だった」と主張していましたっけ?

鈴置:聞いたことはありません。鄭佑相次長もそれを示す事実をあげていません。しかし「クワタは親韓的で反・アベだから強制連行に同意しているはずだ」と考えたのでしょう。

なるほど。いずれにせよ「慰安婦」で謝罪しない安倍政権にいらついている韓国の空気がよく分かります。でも、なぜ突然に「クワタ」が登場したのでしょうか。

鈴置:煎じ詰めて言えば、朝日新聞に期待できなくなったからです。同紙は2014年8月5、6日に「慰安婦問題を考える」という大型特集を載せました。

 この中で「太平洋戦争中に済州島で200人の若い女性を日本政府が強制連行した」との内容を含む過去の記事16本を、5日付16面で取り消しました。

 戦時中、日雇労働者を管理する組織で働いていた吉田清次という人の証言を元にした記事でした。朝日は「吉田証言」を基にした一連の記事を1982年から載せ始めましたが、32年後にようやく「虚偽の証言だった」と誤報を認めたのです。

 政府も含め韓国のいわゆる世論は、朝日新聞を含む日本のメディアが報じた「済州島の連行記事」を元に「強制性」を主張していました。

 「韓国の慰安婦」に限って言えば「日本政府による強制連行」の証拠は、慰安婦本人の主張以外には「吉田証言」しかなかったからです。

 なお韓国側は1993年8月4日の河野談話も、日本が「強制性を認めた文言」として、新たな謝罪を要求する時の根拠にしています。

 ただ、朝日の記事取り消しにより「河野談話もいつ取り消されるか分からない」と、韓国側は不安に思い始めたのです。そこで新たな援軍が必要と考え「クワタ」の起用を検討し始めたのでしょう。

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「「アサヒ」が駄目なら「クワタ」がある」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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