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金メダルだってルール次第

上村春樹・全柔連前会長に聞くルール形成戦略

2015年1月26日(月)

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 日経ビジネスの1月26日号では「Jスタンダード」と題する特集を掲載した。グローバルでビジネスを展開する上で、ルール形成の主導権を握る重要性が高まっているからだ。日本独自の通信規格であるPDC方式の携帯電話は、技術的にどんなに優れていても海外で売ることはできなかった。「ガラケー(ガラパゴス携帯電話)」と呼ばれるゆえんだ。

 ルール形成が成功を左右するのはスポーツ界でも同じ。日本のお家芸である柔道がいかにして五輪競技のJUDOへと発展したのか。全日本柔道連盟前会長で、国際柔道連盟指名理事を務めた上村春樹氏に、独自のルール形成戦略を聞いた。

柔道を生み出した国として、日本はどのような姿勢で国際協議の場に臨んでいたのでしょうか。

上村:日本の基本スタンスは「出しゃばらない」でした。ルール変更にはあえて口を挟まず、世界の潮流に任せるように気を付けてきました。日本発祥のスポーツだからこそ、下手に出しゃばると「日本に有利なようにルールを変えようとしているのではないか」と海外勢に不信感を抱かせてしまう。そんな懸念があったからでしょう。

 実際、日本だけでがんじがらめに囲い込んでいれば、つまり柔道の国際ルールを日本の思うようにしていたら、今のように世界の多くの国で柔道は普及していなかったでしょう。つまり、五輪競技にJUDOはなかったかもしれません。

ただ、国際協議では欧州勢が中心となって、効率よくポイントを稼ぐ競技性の高いスタイルへとルール変更を進めてきました。俗に言う、「ジャケットレスリング」です。

上村春樹(うえむら・はるき)氏
モントリオール五輪(1976年)柔道無差別級金メダリスト。2007年から国際柔道連盟指名理事、2009年から全日本柔道連盟会長を務め、国際ルールの改正に尽力した。しかし、2013年に発覚した全柔連による不祥事の責任を取り、両職ともに辞任。現在は講道館館長(写真=陶山 勉)

上村:私が柔道の国際ルールを決める国際柔道連盟の指名理事に就任したのは2007年でした。国際ルールは4年に1度の五輪ごとに大幅に見直すことになっています。日本は出しゃばらなかったため、欧州主導でルール変更を繰り返された結果、選手がきちんと組み合わずに逃げ回るような試合が増えました。そこに危機感を持っていました。

 畳や柔道着の色など表面的な部分なら変わっても構いませんが、柔道の文化、精神は守らないといけないと思っています。例えば、試合は「礼で始まり礼で終わる」ことが定められています。柔道は締め技や関節技が唯一認められる五輪競技で、危険性が高い。だからこそ、相手への礼節をきちんと示さないといけません。そういった意味から礼法がルール化されています。

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「金メダルだってルール次第」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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