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誰もやっていないことに挑戦できるから楽しいのです

第12回(番外編):中村俊郎氏(中村ブレイス社長)×税所篤快氏(NPO法人e-Education創業者)

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2015年1月30日(金)

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 過疎の故郷で義肢装具メーカーを起業し、世界から注文を受ける優良企業に育て上げた中村俊郎・中村ブレイス社長。映像授業を活用し、途上国の教育を支援しようと世界各地で奮闘する税所篤快・e-Education創業者。以前から中村社長は税所さんにアドバイスを送り続けてきた。2人に挑戦の極意や社会貢献の本質を聞いた。

中村社長は義肢装具の製造・販売分野で、税所さんは途上国での教育支援という分野で、新たな領域を切り拓いたイノベーターです。なぜ、誰もしていなかったことに挑戦できたのでしょうか。

中村:12~13歳の頃に父から言われた言葉がきっかけになっています。私は石見銀山の玄関口、島根県大田市大森町の出身。かつて人口20万人を誇った町も私が子供の頃には既に過疎化していました。

 役場の収入役だった父は「マルコ・ポーロを知っているか。大森町と重ね合わせて考えると面白いな」と言いました。その時は何の話か分からなかった。けれど後に、大航海時代、マルコ・ポーロが大変な冒険の末にアジアにやって来たこと、石見の銀が世界を席巻したことなどから、父は大森町を起点にチャレンジ精神を持って新たな道を切り拓くことを訴えたかったのだと思うようになりました。

 高校卒業後、病院に勤めていた姉の紹介で京都の義肢装具製作会社に就職。父の言葉を胸に40年前、故郷で義肢装具会社を起業しました。以来、誰もやっていないことに挑戦できる喜びを感じつつ、一歩一歩進んできました。

税所:僕は日本で過ごした大学生活がつまらなくてたまりませんでした。高校時代からお世話になっていた先生に「それなら世界を変えに行け」と言われて。バングラデシュに渡り、一流の予備校講師の授業を映像で提供すれば、現地の貧しい家庭の高校生でも大学進学が可能になると思い付き、「e-Education」と名付けたプロジェクトを始めました。そうやって1度、海外に出てみたら、「世界はこんなに広く面白い」ということが分かり、それからは、世界で新しいプロジェクトに挑戦することにハマってしまいました。

中村俊郎(なかむら・としろう)氏:1948年島根県大森町(現・大田市大森町)生まれ。高校卒業後、大井義肢製作所(現大井製作所)に入社。71年、近畿大学短期大学部商経科(通信課程)を卒業。米国で義肢装具の製作技術を学んだ後、74年郷里で中村ブレイスを創業。治療用コルセットやシリコンゴム製義肢装具の製造・販売を手掛ける。石見銀山の世界遺産登録にも尽力した。
税所篤快(さいしょ・あつよし)氏:NPO法人e-Education創業者。1989年生まれ。2007年早稲田大学教育学部入学。2010年バングラデシュで映像授業「e-Education」プロジェクトを開始。ダッカ大学合格者を輩出するなど成功を収め以後、仲間と一緒に「五大陸での教育革命」を志す。14年3月早稲田大学卒業。ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍しながら活動を続ける。(写真:上内かなえ、以下同)

簡単にできることなら、あなたがやらなくてもいい

途中で行き詰まることはありませんでしたか。

中村:京都の会社では義肢装具の製作を学びましたが、教科書もマニュアル本もなく、工房で先輩たちの仕事ぶりを見ながら技術を習得していくしかなかった。正直、そんな環境を不遇と感じることもありました。

 ある時、京都大学出身の若いお医者さんに、それをポロッと漏らしたことがあります。すると先生は「中村くんは幸せだね」と言ったのです。「かわいそう」ではなく「幸せ」と。それでハッとしました。マルコ・ポーロと同じで自分次第で道はいかようにも拓けると気付いたのです。その後、義肢装具を学ぶために単身渡米。故郷で創業後は世界初のシリコンゴム製装具も開発しました。

税所:僕は今、かつての中村社長と同じような悩みを抱えています。大企業に就職した同級生の中には、既に大きな仕事に手を着けている人がいます。それに対して自分がやっていることには教科書も参考書もない。どちらの方向に進めばいいのかと分からなくなることもあります。

 以前、中村社長にお会いした時、「税所くんは税所くんにしかできないことをやり続ければいい」と言っていただいてとても励まされました。けれど今でも時々悩んでしまいます。

中村:大きな組織と違って、頼れるものは自分だけだから不安だらけですよね。けれど、やりたくてやっているのなら、どん底にいても「これは自分に与えられた試練だ」と思えばいい。簡単にできることなら、何もあなたがやらなくてもいいのだから。

税所:確かにそうですね。

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