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スカイマーク、破綻は不可避だった

“自転車操業”がついに止まった日

2015年1月29日(木)

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 最悪の事態は免れた――。

 1月28日、国内航空3位のスカイマークが民事再生法の適用を申請した。負債総額は約710億円。同日付けで西久保慎一社長は経営責任を取って辞任し、有森正和取締役が社長に就いた。

「スカイマーク、民事再生法適用を申請へ 運航は継続」。この一報が流れた1月28日夜、胸をなでおろす航空関係者は少なくなかったはずだ。

大手2社とは異なる「第三極」として独立経営を貫いてきたが…(写真:山本 琢磨)

 スカイマークがこの夜発表した「民事再生手続き開始の申し立て及び資金支援等に関するお知らせ」によると、経営が行き詰まった原因として、同社は急激な円安によるドル建てリース料支払いの負担増や、競合他社との競争激化などを列挙している。

 対応策として、スカイマークでは不採算路線の運航休止などを進めたが、徹底したコスト削減には至らなかったとしている。また欧州の航空機大手エアバスと結んだ超大型機「A380」の購入契約が解消され、7億ドル(約830億円)の解約違約金が発生する可能性が生じたことなどから、自主再建は極めて困難と判断した。

 この書面から、スカイマークの年明け以降の窮状を読み取るのは難しい。だが事情を良く知る関係者は、「まさに自転車操業。ふとしたタイミングでいつ資金がショートしてもおかしくない状況が続いていた」と打ち明ける。

飛行機が、ある日止まる?

 「もうほとんど時間がない」「数日後には資金がショートするかもしれない」――。

 今年の1月以降、西久保前社長や有森新社長などのスカイマーク幹部は、同社の資金繰りについて悲鳴ともつかない、こんなSOSを関係者に発してきたという。日々の資金繰りは極めて厳しい状況だった。

新たにスカイマークの社長に就任した有森正和氏。西久保前社長と共に苦境のスカイマークを支えてきた(写真:Aviation Wire)

 この冬、急激に手元資金が乏しくなった背景には、いくつかの理由がある。もちろん、円安などという先に挙げた理由もあるだろう。加えて、A380購入契約解約以降、経営危機が深刻になるほどスカイマークの利用者は確実に減り続けていた。

 最も象徴的なのが、2014年12月の搭乗実績だろう。全路線の実績を見ると、座席利用率は54.5%しかない。これまで使ってきた小型機ボーイング737型機よりも、座席数の多い中型機エアバスA330を導入したことで、提供座席数が増えたという背景はある。それにしても、年末年始の帰省需要のある12月に、大半の路線が座席利用率50%を切っているのだ。昨年夏以降に続いた経営不振のニュースは、ボディーブローのようにスカイマークを蝕んでいた。

 1月中旬には、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)との共同運航(コードシェア)を実施し、収益を改善するとも報じられた。資金繰りに窮するスカイマークにとって、確かにこれは明るいニュースだったはずだ。ただし3社の共同運航が始まるのは3月29日以降とされていた。コードシェアなどの道筋が見えれば、投資ファンドによる第三者割当増資など、新しい突破口も見えたのかもしれない。

 しかしコードシェアにしろ、第三者割当増資にしろ、実現するには時間がかかる。しかしその前に、スカイマークは一刻の猶予も許されないようなきわどい状況に陥っていた。「何もしなければ、1月いっぱい持たないのでは」。こう懸念するスカイマーク関係者は多かった。

 国土交通省も、最悪の事態に備えて粛々と準備を進めていた。

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「スカイマーク、破綻は不可避だった」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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