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情報を動かすだけの商売が成り立つ社会になった

糸井重里さんと「予言検証」その4

2015年3月5日(木)

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糸井重里(いとい・しげさと)
1948年生まれ。コピーライター。ほぼ日刊イトイ新聞、主宰。作詞、ゲーム制作など、多岐にわたり活動。98年6月に毎日更新のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは同サイトでの活動に全力を傾けている。最新刊に、早野龍五氏との共著『知ろうとすること。』(新潮文庫)、『ぼくの好きなコロッケ。』(東京糸井重里事務所)などがある。(写真:大槻純一、以下同)

糸井重里(以下、糸井):けっきょく、いくらインターネットで世界がつながったように見えても、自分の生存範囲の中にしか、人生ってないんですよね。一見、世界各国を飛び回ってる人でも、彼は彼の範囲内で生存してるわけです。昔、永ちゃん(矢沢永吉)が言ってました。「矢沢永吉だからって、ミカン1個まけてくれないのよ」って。数万人が熱狂するステージに立つ人でも、近所の八百屋さんで買い物するときの500円は、他の人と一緒の500円なんですよね。自分が普通に生きている範囲。そこが豊かじゃないと意味がない。

担当編集Y瀬(以下Y):グローバルだなんだっていっても、インターネットで世界とつながって脳は地球規模で考えてたとしても、自分の体は、日本のここにしかないですものね。

糸井:今話したようなことって、吉本隆明さんがとっくに言ってるんです。吉本さんによれば、都市は、高次の産業の集まったところに発展する。一方、さまざまな事件とか社会問題とかは高次の産業とその前の産業の接点で起こる。いまだったら、無限に何かが生まれるような気がする「情報産業時代」と、新聞紙を刷って配るような「第三次産業時代」の狭間で、さまざまな摩擦が起きてるんじゃないかな。ほら、万能感をもったネット右翼として叫んでいた人が、正体がばれたら、実はほそぼそと違法ソフトを売っている人でした、みたいな。

Y:ああ、ありましたね。なんというかインターネット的の負の側面というか。

糸井:今の時代の産業の狭間でつぶれちゃった人は、そういうところに向かいがちじゃないかな。

「正直は最大の戦略」が支えに

Y:自宅にこもってできるし、人の嫌な部分を商売にできますしね。糸井さん、『インターネット的』に書かれていましたよね。社会心理学者の山岸俊男さんが証明した「正直は最大の戦略である」が、「インターネット的」な社会の支えになってる思想だって。「ほぼ日」はその思想をベースにした商いだと思うんですが、その裏の商いも、じつはインターネットにはあった、と。

糸井:裏表はありますよね。昔、引きこもってた人が行き着く場所は、だいたい懐中電灯をもつ仕事だと聞いたんです。警備員とか、交通整理のバイトとか。そのときの仕事には、物質感があり、肉体感があるんですよ。見回りする「場所」もあるし。それが今は、ゴミを拾ってヤフオクで売るという行為に移った。これが、本当の情報社会になったということだな、と。

Y:肉体を動かさなくても、情報を動かすだけでよくなった。

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「情報を動かすだけの商売が成り立つ社会になった」の著者

崎谷 実穂

崎谷 実穂(さきや・みほ)

ライター/編集者

北海道札幌市生まれ。人材ベンチャーでコピーライティングを経験後、広告制作会社で新聞広告を担当、100名近くの著名人などに取材。2012年に独立。ビジネス系の記事、書籍のライティング・編集を中心に活動。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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