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スカイマークの首を締めた戦略機材

「A380」は破綻の真因ではない

2015年2月5日(木)

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 スカイマークが1月28日、民事再生法の適用を申請した。

 西久保愼一前社長は経営責任を取り退任。後任には西久保前社長の右腕として財務を担当してきた有森正和氏が就任。かつて社長を務めた井手隆司会長も代表権が戻り、二人三脚で再建を目指す。

 負債総額は約710億8800万円。投資ファンドのインテグラルの資金支援を受け、運航を続ける。翌29日の会見で、有森新社長は「運航には支障ない。これまで同様の利用をお願いしたい」と訴えた。

1月29日、民事再生法の適用申請の翌日に会見を開いたスカイマーク。写真の左が井手隆司会長、右が有森正和社長だ(撮影:吉川 忠行、他も同じ)

 同社の業績悪化は、急激な為替の円安進行や、このところ一段落した原油価格の高騰などの影響が大きい。また搭乗者数が伸び悩んだ米子路線など、不採算路線が足を引っ張った。2015年3月期通期単体の純損益は、過去最大の136億7600万円の赤字となる見通しだ(前年同期は18億4500万円の赤字)。

 経営破綻した要因として、エアバスの総2階建て超大型機「A380」の導入を挙げる論調が目に付く。最大7億ドル(約825億円)の違約金の存在も大きい。だが、もともと同社は、円安や高止まりする燃料費で経営不振に陥ったのであり、破綻要因としてA380ばかりが取り上げられることには違和感を覚える。そもそもエアバスがA380の売買契約を解除したのは、スカイマークが経営不振に陥り、支払いのメドが立たなくなったからだ。

 通常の航空会社では機体も燃料もドル払いで、これはスカイマークも同じ。他社と違っていたのは、スカイマークは為替ヘッジをしていなかったことだろう。2011年2月にA380を発注してから、引き渡し開始となる2014年までの間に円安が進み、「会社を大きく傷めることになった」と井手会長は語る。

 また、経営不振に陥った要因の1つとして、国内LCC(格安航空会社)との競争が激化したことを挙げる論調も多分に見かける。だがこちらも同じくミスリードだ。というのも、スカイマークの収益の約8割が羽田路線。羽田発着便こそスカイマークの主戦場だ。かつてはスカイマークも、LCCが拠点とする成田国際空港や関西国際空港に進出したこともある。だが採算が悪化すると直ちに撤退したり、路線を縮小したりしてきた。

 成田には2014年10月まで残っていたが、これはA380を使った国際線就航の可能性があったため。この年の6月には、ロードファクター(座席利用率)が60%台に回復しており、これが破綻の直接的な要因とは言いがたい。

 では、為替や燃料費、A380のほかに、スカイマークの足を引っ張ったのは何か。

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「スカイマークの首を締めた戦略機材」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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