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ネット販売の最新モデル「Click&Collect」とは

ネットスーパー最先端市場・英国が示す“闇の店舗”の次

2015年2月12日(木)

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 日経ビジネス2月2日号の特集「物流の復讐」では、ネットスーパーを舞台に店舗と物流センターの「主客逆転」が起きつつある姿を描いた。一般的には「倉庫」と考えられていた物流拠点を、ネットからの受注だけをさばく「店舗」として位置付け直す動きだ。こうした新型店舗は「ダークストア」とも呼ばれている。

 ダークストアの取り組みで先行しているのが、英国のスーパーだ。英国のネットスーパー市場は「日本から7年進んでいる」とも言われ、その市場は日本円で1.5兆円規模にまで拡大している。ネットスーパー各社は相次いでダークストア設立に動いており、最近ではさらにその先の動きまで出てきた。英国のネットスーパー事情は、日本の小売り各社も注目している。

 ここ数年、英ロンドンの小売り市場は大きな変化を遂げている。食品市場全体が横ばいから減少に転じようとしている中で、ネットスーパーが急成長しているのだ。今や、英国はネット先進国の米国を凌ぎ、世界で最もネットスーパーの競争が激しい市場と言われる。

 2014年のネットスーパー市場は前年比で10~15%の伸びを記録したというのが、専門家たちのコンセンサスだ。市場規模は約81億ポンド(約1兆4400億円)となり、食品市場全体の5.5%まで拡大したという。特に昨年のクリスマスシーズンは、業界3位のセインズベリーが前年比30%増となるなど、各社とも記録的な数字を残した。

英ネットスーパー、オカドの宅配用トラック。こうしたネットスーパーの車両をロンドンでは頻繁に見かける。

 ロンドンの住宅街では、ネットスーパーのロゴが入ったトラックを目にしない日はないほどだ。英国でネットスーパーが離陸したのは、最大手テスコがサービスを始めた2000年。その後、一部の大手スーパーは、物流コストの負担が大きく黒字化を見込みにくいことから、参入を見送っていた。だが、「やらなければライバルに顧客を奪われる」(英ラフボロー大学のフィオナ・チャドウィック教授)という危機感から、今では大手各社は軒並みネットスーパー事業を手掛けている。

品揃え充実、時間指定もほぼ正確

 実際、記者がロンドンに特派員として駐在していた頃は、ネットスーパーはなくてはならない存在だった。近くの駅前に品ぞろえもサービスも充実したスーパーもあった。しかし、子供が生まれてからはネットスーパーなしには、日々の食卓は回らない状況だった。

 よく利用していたのは、「オカド(Ocado)」というネットスーパー専業企業が提供していたサービスだ。近所のスーパー、ウェイトローズ(Waitrose)と提携していたこともあり、商品に信頼感があった。

 牛乳や水、オムツ、洗剤など重たくかさばる商品だけではなく、卵や野菜、肉といった生鮮食品も購入していた。値段は近所のスーパーと同等で、品揃えも遜色ない。「この商品が欲しいのに売ってない」という経験はまず、なかった。

 宅配は注文当日から指定できる場合が多く、宅配してくれる最低注文金額は40ポンド。日本円に換算すると約7300円だが、現地では普段、1ポンド=100円の感覚で消費しているので、実感としては4000円といったところだ。宅配時間は1時間単位で指定することが可能で、それぞれ宅配料金が異なる。最高で6.99ポンド(約1270円)だが、無料の時間帯もある。経験からいうと、平日の夜10時以降は無料のことが多かった。

オカドではドライバーが玄関先、場合によってはキッチンまでショッピングバッグを届けてくれる

 指定した宅配時間が近づくと、ドライバーから携帯電話に何時頃に到着するかというメッセージが届く。遅れている場合も同様だ。到着すると、ドライバーがいくつものショッピングバッグを抱えてやってくる。記者の自宅はアパートの2階でエレベーターはなかったが、いつも屈強そうなドライバーが玄関先まで届けてくれた。

 欠品がある場合は事前に代替品の提案が携帯電話のメッセージに届き、卵が割れているといった場合には後日返金された。ドライバーとのコミュニケーションがあるためか、そうした予期せぬ事態にもそれほど不満に思ったことはなかった。

コメント2件コメント/レビュー

旧来の商店街が「シャッター商店街」化して店がなくなり、遠くまで行かないと食料品も買えないという老人世帯が増えているが、彼らがネットスーパーに注文出来る様になれば、食品の調達に関しては問題はなくなる。残すは「医療」だ。医療もウェアラブル端末などと組み合わせれば、「ネット医療」も可能になるだろう。それにしても、日本の老人達の多くはPCもタブレットも使えぜ、インターネットさえ入れない人が多い。だからと言って、日本の情報端末メーカーがこのエリアに適した製品を投入しない事が理解できない。既に年金を受給している老人達は資金的にも若年層よりは余裕があるのだから、彼らが簡単にネットスーパーでもネット医療でも使える様な製品を出せば利用者はいくらでもいる。特に老人だけの世帯においては、そういった製品の登場は生活そのものを明るく照らしてくれる、正に「文明の利器」になり得る。この投稿に関心を示す業界関係者がその気になってくれることを祈る。何時になっても先行している外国のモノマネばかりしていてはダメだ!(2015/02/12)

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「ネット販売の最新モデル「Click&Collect」とは」の著者

スカーレット

スカーレット(ろーら・すかーれっと)

ロンドン支局 記者

英シェフィールド大学で日本語を専攻。2010年に英国王立芸術大学(RCA)に進学し、日本のデザインと消費文化の研究に従事する。2012年から日経ビジネス・ロンドン支局記者

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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旧来の商店街が「シャッター商店街」化して店がなくなり、遠くまで行かないと食料品も買えないという老人世帯が増えているが、彼らがネットスーパーに注文出来る様になれば、食品の調達に関しては問題はなくなる。残すは「医療」だ。医療もウェアラブル端末などと組み合わせれば、「ネット医療」も可能になるだろう。それにしても、日本の老人達の多くはPCもタブレットも使えぜ、インターネットさえ入れない人が多い。だからと言って、日本の情報端末メーカーがこのエリアに適した製品を投入しない事が理解できない。既に年金を受給している老人達は資金的にも若年層よりは余裕があるのだから、彼らが簡単にネットスーパーでもネット医療でも使える様な製品を出せば利用者はいくらでもいる。特に老人だけの世帯においては、そういった製品の登場は生活そのものを明るく照らしてくれる、正に「文明の利器」になり得る。この投稿に関心を示す業界関係者がその気になってくれることを祈る。何時になっても先行している外国のモノマネばかりしていてはダメだ!(2015/02/12)

忘れてはいけない重要な事実ですが、ネットスーパーでは日本より7年進んでいる英国が、逆にコンビニでは日本より10年遅れています。 つまり、英国でネットスーパーが進化した大きな要因に、コンビニ業界の立ち遅れがあるのです。日本では、ネットスーパーはコンビニと正面から競合する形になるので、英国とは全く異なる形態になる事が予想されます。(2015/02/12)

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