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コメを神棚に上げた農政の罪

稲だけの経営は幻想だ

2015年2月13日(金)

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 コメを中心とする日本の農業が重大な岐路に立っている。歯止めのきかない米価下落で収益が減り続け、高齢農家の大量脱落による耕作放棄の危機が迫る。日本の稲作はどこへ向かうのか。現場の生産者と緊密に情報交換し、農政に積極的に提言している宮城大学の大泉一貫名誉教授に聞いた。

2014年産のコメの値段が急落し、農家が悲鳴をあげています。

「農政に裏切られ続けた」と話す大泉一貫氏

 「コメ農家はこれから数年でどんどん減りますよ。僕のつき合っているのはトップグループの農家だが、彼らが生き残れるかどうかという話になってきた。『ここを必死に乗りきらなければならない』という声をよく聞きます」

 「ある有力農家は『かつての畜産と同じで、当面は赤字でも売り続けるしかない』と言っています。いまを耐えぬけば、まわりのコメ農家が脱落し、農地が集まってくるというシナリオです。畜産はそうやってM&Aで大規模になっていった。コメもそうやって勝ち残れるかどうかのゲームという時代に入ったんです」

 「彼らには、コメ農家の数が減れば最後には需給が改善し、いまと違ってコメをつくることが有利な世界が開けてくるという読みがある。これはある意味賭けですが、今後10年はそういう状況が続くでしょう」

規模拡大をどう進めるか

高齢農家から担い手経営への農地の流動化はすんなり進むでしょうか。

「農地は自分で維持すべきだという建前があるから、行政が『まとめて農地をあずけろ』と言ってもなかなか言うことを聞いてくれない。でも、彼らの本音は、機械が壊れたら田んぼはあずけて、自分は体力の続く限り小規模に野菜でもつくっていたいという点にあります」

 「優秀な大規模農家は、じいちゃん農家やばあちゃん農家のそういう本音をうまくくすぐってますよ。『いつでもいいから、農地をあずけてください』『いいけど、自分でもちょっと続けたい』『それなら、そういう条件をつくりましょう』。こうして規模拡大がどんどん進む」

コメント5件コメント/レビュー

大泉先生、あいかわらずの過激な発言が素敵です。しかし、最後の方は少し弱気な感じですね。たしかに、農地中間管理機構はぜんぜん機能してないし、農協改革もやる前から骨抜きされてる感が満載です。 なので、一番いいのは農政のことは気にしないで農業をやることだとは思うのですが、稲作ではそれは無理ですしね。 ともあれ、今の田と畑を区別して考える農地制度は根本的に作り直すべきではないでしょうか。うちでは、畑やハウス栽培のために農地を買ったけど、たまたま地目が「田」だったので、毎年けっこうな額のさまざまな補助金が入ってきます。もらってて言うのもなんだけど、税金の無駄遣いでは?(2015/02/13)

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「コメを神棚に上げた農政の罪」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

大泉先生、あいかわらずの過激な発言が素敵です。しかし、最後の方は少し弱気な感じですね。たしかに、農地中間管理機構はぜんぜん機能してないし、農協改革もやる前から骨抜きされてる感が満載です。 なので、一番いいのは農政のことは気にしないで農業をやることだとは思うのですが、稲作ではそれは無理ですしね。 ともあれ、今の田と畑を区別して考える農地制度は根本的に作り直すべきではないでしょうか。うちでは、畑やハウス栽培のために農地を買ったけど、たまたま地目が「田」だったので、毎年けっこうな額のさまざまな補助金が入ってきます。もらってて言うのもなんだけど、税金の無駄遣いでは?(2015/02/13)

>ただ、日本の畜産はコメをエサにするための実験の歴史が浅く、生産への補助金と研究費とで二重三重の財政依存になってしまう実際は畜産側からの要望で餌米が出てきたのではなく、コメの研究者が食いっぱぐれたくないから無理矢理ひねり出したのが餌米だから、上手くいかないのは当然なんだよね。試験結果では十分トウモロコシの代替になるのだけど、いかんせんコストがトウモロコシとコメでは違いすぎる。(2015/02/13)

ご先祖から土地を引き継いだ零細兼業農家は販売ノウハウがないため農協に米を引き取って貰うしかありませんし、また富裕層の大地主だけが活用できる相続対策専門家の人脈もないので、どう農地を有効活用すればいいかがわからない。何の対策も講じなければ確実に耕作放棄地が増えるでしょうね。個人宅まで宅配を手掛ける力量のある有力農家は、国内だけでなく(美味しいモノには金に糸目をつけない中国人など)海外への輸出も意識した宣伝を考える。逆に中途半端な規模の農家なら都市部なら一般市民への開放。郊外なら自治体経由で業務委託を行っても、課税が極端に重くならないような税制上の配慮を行うしかないと思います。(2015/02/13)

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