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原油価格大幅下落は、原発再稼働を議論する好機だ

「脅し」「すかし」で国民をダマすな

2015年2月13日(金)

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 原子力発電所の再稼働に向けた手続きが進んでいる。原発の安全性を審査する国の原子力規制委員会は2月12日、福井県の関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が新規制基準に適合していると結論付けた審査書を正式決定した。今後、地元の同意手続きを経て、実際に再稼働することになる。

 一歩先を行っているのが鹿児島にある九州電力川内(せんだい)原発だ。昨年9月に規制委が審査書を正式決定した。住民説明会などを経て、11月に鹿児島県知事が再稼働に同意した。ただ、安全対策の詳細設計を記した「工事計画」について規制委から不備を指摘されており、再提出後でないと再稼働できない。

なぜ原発再稼働が必要なのか

 安倍晋三内閣は、「安全性が確認された原発から再稼働させる」という方針を貫いている。川内、高浜ともに、電力需要が高まる7~8月までに何とか再稼働させたい意向だ。

 2013年9月以降、日本にあるすべての原発は停止したままだ。その間、今後、原発をどうしていくべきか国民的な議論が繰り広げられたわけではない。東日本大震災による東京電力福島第1原発事故以来、原発に反対する国民の声が広がり、賛否が割れたままになっているが、安倍首相も原発について議論することを避けているのは明らかだ。昨年末の総選挙でも争点から外していた。

 なぜ、原発再稼働が必要なのか。

 これまで政府はいくつかの理由を正面に打ち出してきた。震災直後に繰り返し言われたのが、「電力が足らなくなる」というものだった。一部の地域で一定時間帯に停電させる「計画停電」も行われ、「このままでは夏の需要期は乗り越えられない」と大騒ぎした。

 電気事業連合会の資料によると、震災前の2010年度の総発電量は1兆64億キロワット時で、その28.6%を原子力で賄っていた。ざっと3000億キロワット時分だ。これが無くなれば、計算上は電気が足らなくなるのは明らかだ。

 原発の稼働停止の穴を埋めるために、電力各社は液化天然ガス(LNG)火力や石油火力を大幅に増やすことで、電力供給に努めた。その結果、停電になるような事態は避けられた。

「足らなくなる」の次は「料金が上がる」

 原発の割合は2012年度には1.7%、2013年度には1.0%にまで減少したが、それでも需要は賄ったのだ。遂に昨年の夏は原発ゼロで需要期を乗り切った。

 「足らなくなる」という説明が通らなくなると、次に出てきたのが、「料金が上がる」という説明だった。

 「原発がゼロになったら電気料金は2倍になる」

 民主党の野田佳彦政権が「2030年代に原発ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という方針を表明した2012年秋に、電力会社や経済界が率先して主張した。

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「原油価格大幅下落は、原発再稼働を議論する好機だ」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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