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なぜ17歳の黒人青年は16発の銃弾を受けたのか

2015年2月17日(火)

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 「銃社会」と言われ続けている米国で、昨年起きた事件について記したいと思う。

 「いまさら、、、」という声もあろうが、日本ではほとんど報道されなかった事件だけに、米国のイマを知る上で貴重かと思う。

 2014年10月、イリノイ州シカゴで17歳の黒人青年が死亡した。シカゴ市警の白人警察官に射殺されたのだ。

 同年8月、ミズーリ州ファーガソンで、やはり黒人青年が白人警官に射殺された事件は記憶にあたらしい。同事件では丸腰の青年を撃った警察官がのちに不起訴になり、全米中で抗議デモが起きた。

 シカゴの射殺事件はファーガソンの事件よりも衝撃的と言ってさしつかえない。何故なのか。順を追って書き進めたい。

「警察官は男から大きな脅威を感じ、防衛の行動をとった」

 10月20日午後9時45分、シカゴ市警に1本の電話が入った。市内の工業地区でナイフを持った黒人の男が、車上荒らしをしているとの通報だった。

 すぐに1台のパトカーが現場に駆けつける。警察官はナイフを手にした男を確認。パトカーの中からナイフを捨てるように呼びかけた。だが男は指示に従わない。

 もう1台のパトカーが到着すると、2台で男を挟み込むように工場のフェンスに追い詰めた。すると男はナイフでパトカーのタイヤを刺したばかりか、フロントガラスも破損させた。

 警察官が車から降りる。「ナイフを捨てるんだ」と言ったが、男はナイフを胸の前に構えて交戦的な態度を見せた。次の瞬間、警察官の弾丸が男の胸を貫いた。

 男は近くの病院に搬送され、10時42分に死亡が確認されている。ここまでのストーリーはシカゴ市警が記者発表した事件のあらましだ。広報官のパット・カムデン氏は記者会見でこう述べている。「男が警察官と一緒にお茶を飲むような状況にないことは明白です。警察官は男から大きな脅威を感じ、防衛の行動をとっただけです。死因は胸部への被弾でした」。

 事件直後のNBCテレビは、記者発表をほぼそのまま伝え、「(警察官による)明白な自己防衛行動」と報道した。この事件はファーガソン事件の後に起きたものだったが、全米中に伝わることはなかった。ましてや日本の主要メディアはほとんど取り上げていない。

 というのもニューヨークやシカゴといった大都市では、連日のように殺人事件が起きているからだ。2014年にシカゴで起きた殺人件数は約400。1日1人以上が殺害されていることになる。

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「なぜ17歳の黒人青年は16発の銃弾を受けたのか」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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