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「ただ働き? 喜んでやるよ」

ボランティアが支える不思議農園

2015年2月20日(金)

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 「給料なんて要りません。喜んでただで働きます」――。従業員がそんなことを言ったら、経営者は小躍りして喜ぶだろう。そんな夢みたいなことが、農業の世界では実現する。今回は、無償の労働力が経営を支える不思議な農園を紹介したい。

 場面は2つある。1つは1月31日、場所は横浜市都筑区にある中山農園だ。「これをもちまして、平成26年度の体験ファームを閉園します。ありがとうございました」。農園を経営する大沢博がそう告げると、ビニールハウスに集まった約30人の参加者がいっせいに拍手した。

体験農園で作業を説明する大沢博さん(横浜市)

 ここで大沢が「閉園」という言葉を使ったのは、毎年そう言っているからで、「これでおしまい」という重い意味はない。参加者のほぼすべてが、春からここで作付けを再開するからだ。

「好きだから」「健康づくりも兼ねて」

 この数日前、横浜市青葉区で、7人の男性が収穫後の畑の後片付けに追われていた。雑草を防ぐシートのマルチを地面からはがすと、風にあおられてたなびいた。「たこ揚げみたいだなあ」。凍える寒さにもかかわらず、むしろ作業を楽しんでいるようにみえる。

 こちらは一般の人が農作業を楽しむ体験農園ではなく、大沢が直売所などに出す野菜を生産している畑だ。7人は年齢が60~70代。「報酬はどれくらいですか」と聞くと、「バイト代なんてないよ。ボランティア」と言う。なぜ、そんなことが可能なのか。

 「みんな野菜づくりが好きだから」
 「健康づくりも兼ねている」
 「寒さに耐えられる体づくりの一環」
 「夏の暑さのほうがこたえますね」
 「うん、それが一番しんどい」
 「たまには女房と離れていたいしね。みんなリタイア組だから」

 こんな調子で話題はどんどん「無償の奉仕」からはずれていって、あとは「はっはっは、みんな若いですよ」と明るく総括。「ただ働き」の是非を気にする様子は1ミリもない。

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「「ただ働き? 喜んでやるよ」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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