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危機管理の「優等生」にも不祥事

J&Jの真価は事件後に発揮される

2015年2月20日(金)

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 美白化粧品を使った顧客の肌に、「白斑」が現れる被害が報告されていたにもかかわらず、製造元であるカネボウ化粧品は対策を打ち出すまでに数年を要した。

 エアバッグの深刻な欠陥が疑われているにもかかわらず、製造元のタカタは問題解決に消極的と見なされ、米国で強い批判にさらされた。

 ここ1~2年で注目された両ケースとも、製品回収の遅れが被害を拡大させ、会社の信用を失墜させた。

 こんな事件が起きるたびに、危機管理のお手本として、必ずと言っていいほど引き合いに出されるのが、「タイレノール事件」である。

「我が信条」を徹底的に叩き込まれる

 1982年、米国で何者かが鎮痛剤「タイレノール」に毒物を混入し、少女ら7人が死亡する痛ましい事件があった。製造元の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、原因が分からないうちから、新聞やテレビで再三にわたって製品回収を呼び掛けた。回収費用はかさみ、大きな損失を生じたが、自社の利益より顧客の安全を優先する姿勢が評価され、会社に対する世間の評判は事件の前よりも高まった。

 なぜ、後々まで語り継がれる対応が可能だったのか。

 事件の最中、経営陣が拠りどころにしたのが、「我が信条(クレド)」だった。1943年に、創業家出身で当時会長のロバート・ウッド・ジョンソン・ジュニア氏が起草した経営理念である。

 そこには、社内外のステークホルダー(利害関係者)に対する会社の責任が明記されている。

 「我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。顧客一人一人のニーズに応えるにあたり、我々の行なうすべての活動は質的に高い水準のものでなければならない」という文章で始まり、社員、社会、株主に対する責任が続く。

「クレドは絶対的だ」と言うジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の日色保社長(写真:的野弘路、以下同)

 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の日色保社長は、「世界中のマネジメント層がクレドを形骸化させないように、不断の努力を重ねてきた」と胸を張る。人事面談や研修などあらゆる場面で、クレドに合致した人物であるかどうかが査定され、その価値観を叩き込まれる。

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「危機管理の「優等生」にも不祥事」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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