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2015年2月24日(火)

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前回の記事では、起業のきっかけなどについて考えてきました。今回は、企業を成功に導くためのポイントなどについて、ベテラン中小企業支援コンサルタント、セレンディップ・コンサルティングの久田貴昭アドバイザーに聞きます。

アイデアだけには自信があるんですが……

 29歳のサービス系企業で働くバリバリの女性社員Cさんからの質問です。「これまで会社で企画を担当していました。成功できそうなアイデアを幾つか見つけました。会社の将来に期待が持てないので、起業を考えています。ところで、どうすれば成功できますか?」。

 うーん。それを一言で答えられるのであれば、簡単です。誰もが起業するでしょう(苦笑)。

 まず、データから見てみましょう。下の図「開業の動機」で見てみると、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」「自分の技術やアイデアを事業化したかった」「趣味や特技を生かしたかった」という動機が、意外と多いことが分かります。

開業の動機(3つまでの複数回答)
出所:日本政策金融公庫 2013年度新規開業実態調査

 初めから失敗しようと思って起業する方はいないでしょうから、やはり、就職先で得た経験や知見に基づき、得意な分野で起業することが成功につながるのでしょう。

 ここで、私が良く知る経営者を紹介します。この人は脱サラで起業し、様々な業種を転々としながらも、最終的には自分の目標を達成しました。

 新潟県で学校を卒業後、まず工場に就職します。そこで、独力で起業できることは何かないだろうかと考え、給料を貯めた創業資金10万円を元手に独立します。その時点で最も参入しやすかったので、鮮魚の移動販売業に乗り出しました。しかし、素人ですから仕入れや販売などのノウハウはなく、業界の慣習も分かりません。色々な苦労がありましたが、顧客を増やし、売り上げを稼ぐために必死で働きました。

 少しずつ努力が実り従業員を雇うまでになりました。しかし、ここで仕入れや物流の面で鮮魚販売は広域化しにくいというネックが見えてきました。また、販売時に従業員による金銭管理が不十分であるという問題もありました。

 そこで、経営者向けの勉強会に参加したり、多くの書籍を読んだりして企業の方向性について考えました。結論として、「継承できない事業を継続することは正しくない」という判断に至りました。

 新たな事業を模索し幾つかの候補の中から、牛乳の宅配業への参画を決めました。というのは、鮮魚の分野で培った販売力を生かして、顧客の生活により密着できるからです。

 かつてはスーパーなどでの紙パックによる販売に押されて、宅配業者は逆風を受けていました。しかし、乳製品メーカーが健康志向の高いユーザー向けに付加価値の高い製品の製造に努め、宅配業者への支援もあり、一定数の顧客を確保できるようになりました。地域的には「買い物難民」や「高齢者」が増加しており、こうした顧客に真面目に宅配サービスを提供したことも相乗効果をもたらし、この会社は成長を続けました。

 当初は、新潟を中心に業務を展開してきましたが、信越地方や九州での宅配業務を拡大していきました。廃業予定の業者を買収したり、フランチャイズ化したりすることで、年商2億円だった会社を、この数年で20億円にまで伸ばしました。

 この経営者は「利用者の方に安心・安全を届ける」という目標に向かって、真摯な気持ちを持って業務に取り組んでいます。そして、地域で愛される企業を目指して努力を怠らない経営を続けています。生まれながらの経営者ではないし、宅配業の経験があったわけでもありません。しかし、直面する課題に一つずつしっかり取り組んできたことが長期的には成長に繋がりました。

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