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次の技術を読む――安全と省エネと医療と宇宙

「テクノインパクト2014」報告(3)

2015年2月26日(木)

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 昨年、私がかかわった「テクノインパクト」プロジェクトで選んだ「技術のベスト10」を解説する連載第3回をお届けする。

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<テクノインパクト2004とは>

 このプロジェクトは日経BP社でコンピューターやネットワーク、電子、機械、建設、工事、そして医療といった分野で取材をしている専門記者200人が将来を担うと期待されている技術を推薦するもの。その中から「2015年に消費を変える注目技術」のベスト10を選び、日経トレンディ誌で発表した。私は2013年に引き続き、審査委員会のとりまとめ役を仰せつかった。

 日経BP社の技術記者約200名が長年の取材成果をもとに選び出しただけに、技術リストの価値は高い。そこから選ばれたベスト10は、社会や企業を進化させる技術、イノベーションの方向性を抽出し示すものとも言え、国や自治体、企業が技術とどう付き合っていくか、活動の方針を決めるにあたっても役立つ。

 また、「テクノインパクト」は先進技術がどこを向いているのかを物語るだけに、今年1年、そのベクトルの先に何が来るのか、何が求められているのか、何が足りないのかの示唆にも富んでいる。

 ここでは「テクノインパクト2004」で「トップ10」に選ばれた技術をみつめながら、「その先」を考えてみる。

 ネット通販企業、アマゾンが発表したUAV(ドローン、無人の小型ヘリコプター)による宅配。
 UAV(ドローン)という技術提案が現実味をもって迎えられたのは、アメリカがイラク戦争以降、大量に投入してきた軍事用の無人航空機(ドローン)の存在が大きい。

 1995年から運用が始まった軍用無人機「プレデター」以降、数種の無人軍用航空機が登場。当初は偵察目的だったが後に攻撃能力を持つようになり、「キラードローン」(殺人無人機)と呼ばれるに至っている。その「キラードローン」の運用がゲーム感覚で行われていること、誤爆による民間人の死亡多発が問題とされているが、今後の戦争では欠かせない兵器とされている(日本も開発を開始しているようだが)。

 UAV(ドローン)はその軍用無人機の民需応用のひとつと言うこともできる。

軍事技術から生まれたドローン

 軍事技術を応用した民生品は基礎技術開発に大きなコストがかからないだけに、競争力のある商品を低価格で市場に出せる利点がある。

 福島第一原発の原子力災害でまず求められたのはロボットによる原子炉建屋内の調査で、千葉工業大学が開発し投入された災害対応ロボット「クインス」の活躍は大きなニュースとなった。

 参考:「クインス」については、私は2012年に3回シリーズで報告している。第1回はこちら。

 福島第一原発では、この「クインス」とともにアメリカから派遣されたロボット、「パックボット」や「ウォーリアー」が投入された。これら米国製の情報収集ロボットを製造したのは、お掃除ロボット「ルンバ」のメーカー、アイロボット社である。

 アイロボット社なら民生品のメーカーではないかと思われるかもしれないが、実は福島第一原発に投入された「パックボット」の原型は軍事用ロボットなのである。米軍がイラク戦争やアフガニスタン紛争で地雷除去などに使ってきた実績があり、信頼性が高い。

 また累積生産台数がおよそ4000台(推定)という量産効果によって、価格が1台1500万円前後に抑えられているのだという。

 アメリカにはこのように軍事技術の民間への転用、応用(スピンオフ)の例が多いが、軍事産業の規模がはるかに小さい日本ではそれはかなわない。かなわないが、日本では「軍事」に代わるスピンオフとして期待できるものがある。

 「安心・安全・防犯」「防災・減災」だ。

 実際、福島第一原発の廃炉作業に向けて、すでに大手メーカーは約30種のさまざまな機能のロボットを開発済みで、近々その実証試験が始まる。これらの技術蓄積は、日本に大きなロボット産業をもたらすはずだ。

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「次の技術を読む――安全と省エネと医療と宇宙」の著者

山根 一眞

山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家

ノンフィクション作家として先端科学技術分野の熱い人間像を描き続ける一方、3.11被災地支援活動も人生の大きな柱です。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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