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訪日観光で出遅れた箱根、切り札は芸者

寛永年間創業、老舗旅館の挑戦

2015年2月26日(木)

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 以前にバスの回で取り上げた、はとバスの外国語ツアー。その古い資料を見せていただいた際、1960年代頃の宴会風景に日本髪の島田を結った芸者の姿がありました。かつては各地に花街があり、「ゲイシャ」は訪日観光の定番コンテンツの一つだったのでしょうか。現代、私たちの暮らしの中で芸者姿を見る機会はほとんどありません。

 京都には今も祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の五花街があり、2010年には芸妓194人、舞妓89人がいたとされています。京都では1996年に公益財団法人京都伝統伎芸振興財団が設立され、京都の伝統文化や花街の伝統伎芸を保存継承し、国民の文化の向上や世界へ日本の文化を発信する活動がなされています。毎年6月には五花街の芸舞妓約100名が一堂に会し、舞を披露する合同公演などの事業が行われています。

 一方、東京では新橋は東京新橋組合、赤坂は東京赤坂組合など、神楽坂浅草向島もそれぞれで活動し、東京五花街での連携は見られません。東京の花街の芸者は2007年には向島120人、新橋70人、浅草47人、赤坂32人、神楽坂30人のほか、日本橋人形町の芳町に20人、八王子の花街でも14人が数えられており、京都に匹敵する規模を有していました。

 地方では衰退が激しく、既に消えた花街も多くありますが、東京で京都と同じような取り組みができればスケールメリットも生まれ、東西2つの芸者芸能の看板が立つ形になり、一つのジャンルとして確立される可能性も出てきます。そうなれば、他の花街にもプラスに働くはずです。

「芸能」は有望な観光資源

 箱根湯本の花街の歴史は大正時代に始まり、高度成長期を経てピークとなるバブル期には芸者数は約450人にもなりました。しかしバブル崩壊後、接待や社員旅行が盛んだった時代は次第に遠くなり、現在の箱根湯本芸能組合は置屋30軒、芸者数160人と最盛期の3分の1ほどです。

 箱根の芸者の最年少は18歳、最高齢は80代で、芸者には芸ができるAランク、観光などの知識を身に付けたBランク、その他Cランクの三段階の格付けがあります。現在Aランクは15人、中でも別格とされる地方(じかた)の三味線は現在4人(30代1名、40代2名、80代1名)。

 また箱根湯本芸能組合には「きらり妓」と呼ばれる30代以下の芸者が80名おり、平均年齢は28.5歳と若い芸者が半数を占めています。組合では1960年代から海外旅行などのご褒美や退職金制度の導入など福利厚生の充実を図ってきました。1974年には組合のマンション建設のため、組合とは別に法人を設立、通常は芸者個人が用意する着物も置屋が準備するようにしました。

 箱根では古典を守りながらも新しいことに積極的にチャレンジしています。2011年に見番を建て替える際には、テレビのリフォーム番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」に応募。PR効果は絶大で、番組放映後メディア露出は3倍になり、見番はドラマのロケ地や小田急ロマンスカーのCMの舞台にもなりました。見番では定期的に箱根芸者交流プログラムや寄席、琵琶法師の演奏会のほか、芸者バンドやヨサコイなどのイベントも行われています。こうした活動は箱根町と連携した観光PR活動でも発揮され、箱根のプロモーションイベントに芸者が参加したり、神奈川県の「なでしこブランド」に認定されるなどしています。

 世界的に見れば、芸能は有望な観光資源です。それだけで海外から客が呼べるものとしてはサンバで踊り明かす「リオのカーニバル」や街中がコスプレする「ベネチア・カーニバル」などの祭り、スペインの「フラメンコ」などの歌や踊りがあります。

 海外旅行をする際、最初の訪問プランの一つに、その国らしい芸能体験的なプログラムが入っていることは決して珍しくありません。イタリアの「カンツォーネ」、インドネシア・バリ島の「ガムランとバリダンス」の歌や踊りなど、世界的な観光地にはその国を代表する芸能が定番観光として確立されています。なぜ日本ではそれができないのでしょうか。

コメント3件コメント/レビュー

常連の日本人客が最初からいないなら良いが東アジアの特に団体ツアー客ばかりになると初来日でマナーを知らなかいところに人数も多いから日本人固定客は間違いなく逃げる。(2015/02/26)

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「訪日観光で出遅れた箱根、切り札は芸者」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

常連の日本人客が最初からいないなら良いが東アジアの特に団体ツアー客ばかりになると初来日でマナーを知らなかいところに人数も多いから日本人固定客は間違いなく逃げる。(2015/02/26)

例えば秘湯や湯治場に外国人旅客が大挙して押し掛けてきたらどうだろうか。訪日観光客を増やすことが良いこととは限らない。(2015/02/26)

箱根は出遅れてはいないし、芸者で挽回というセンスがピント外れ。(2015/02/26)

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