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経営学が注目する「ボーングローバル企業」

国際起業家は、日本から生まれるのか?

2015年3月5日(木)

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 創業初期から急速な国際化を果たしていく企業は、ボーングローバル企業、または国際新興企業と呼ばれています。こうした企業が経営学の研究者に注目され始めたのは、20年ほど前のことでした。

 「ボーングローバル企業」という言葉が使われたのは、戦略コンサルティング会社のマッキンゼーが、機関紙である「マッキンゼー・クォータリー」に掲載した1993年の記事が初出と言われています。国際新興企業(International New Ventures)という言葉も、1989年に「ジャーナル・オブ・ビジネス・ベンチャリング」に掲載された論文で初めて言及された言葉でした。

 今回は、このボーングローバル企業の可能性、その脅威について考えてみたいと思います。

ボーングローバル企業が大企業を脅かす

 ボーングローバル企業は、創業初期から数多くの国々に事業を広げていきます。90年代におけるこうした企業の多くは、単に近隣諸国と輸出入をしているだけでした。しかし特に2000年代以降、単に輸出入だけではなく、世界中の企業と連携し、海外拠点を設立し、時には大企業にも対抗できる競争力を短期間で築きあげていく企業も確認されるようになります。

 彼らが大規模な多国籍企業と対等に競争できる理由の1つは、彼らが最適な事業パートナーを世界中から見つけ出し、そうしたパートナーと戦略的に連携することで必要な技術力と規模の経済を手に入れ、同時にその規模の小ささを強みとして、機動力の高さを発揮していることです。

 昨年ごろから注目を浴びている中国のシャオミ(Xiaomi)も、シャープや韓国LG電子の液晶、ソニーのカメラモジュール、フィリップスの発光ダイオード(LED)フラッシュなど世界中の企業から部品を調達し、米アップルのiPhoneを生産することで知られるフォックスコン(Foxconn)に生産を委託することで、短期間で必要な部材と生産設備を手に入れました。最初の製品を発売したのが2011年8月ですが、2014年には年間120億ドル(約1.4兆円)を売り上げる規模に急成長しています。

 2003年7月に創業し、2008年3月に最初の製品を発売した米テスラ・モーターズが短期間で電気自動車の開発と販売に成功した背景にも、世界中の自動車会社から採用した人材と有力企業との協業がありました。

 その結果、バッテリー、モーター、コントロールシステム以外のほぼ全ての部材を実績のある他社から調達し(注1)、高い品質の自動車を作り上げる事に成功しています。同様に、2002年に創業したAV機器メーカーのVizioも、わずか500人足らずの従業員で世界中の部材供給業者や製造受託業者を活用し、年間31億ドル(約3600億円)を売り上げる有力企業に成長しました。

 創業初期から世界的な価値連鎖を構築し、世界最良のパートナー達と協業する。それにより競争の激しい市場で新しい事業モデルを短期間で立ち上げ、競争優位を手に入れる。これにより大規模な多国籍企業との競争に打ち勝ち、短期間で急成長する事例はこれからより増えていくはずです。

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「経営学が注目する「ボーングローバル企業」」の著者

琴坂 将広

琴坂 将広(ことさか・まさひろ)

立命館大学国際経営学科准教授

慶応義塾大学環境情報学部卒業。在学時、小売・ITの領域において3社を起業、4年間にわたり経営。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て英オックスフォード大学で博士号取得(経営研究)。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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