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企業子宝率を知っていますか?

大企業調査から浮かび上がる、都会の子育てのしにくさ

2015年3月9日(月)

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 「企業子宝率」という言葉をご存じだろうか。合計特殊出生率の企業版ともいえる指標で、男女問わず従業員1人当たりが在勤中に持てる子供の数を算出した値だ。ダイバーシティ・コンサルタントで東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜氏が考案した。

 渥美氏が企業子宝率を考案した出発点は企業子宝率が「子育ては女性の仕事という意識に一石を投じることができる」という問題意識だった。少子化問題を考える際、多くの場合は合計特殊出生率を参考にする。しかしこれは、「女性1人が生涯に産む子供の数」であり、女性にしか光が当てられていない。一方、企業子宝率は男女双方を算出の対象にする。男性を含めることで、片働き・共働きに関わらず、子育ては男女共に責任を果たすべきだというメッセージが込められている。

 企業子宝率で分かることは、その企業が子育てしながら働き続けられる企業か否かだ。すでに福井県や静岡県、佐賀県、鳥取県、三重県、山梨県、滋賀県大津市は、これを地元企業のワークライフバランスをはかる指標として活用し始めている。

 地方では、若年層の人口減少対策が急務だ。そこで、子育てしながら仕事が続けられる会社を発掘することで、魅力ある自治体であることをアピールする狙いがある。また、子宝率の高い企業を表彰することで、企業の自主的な取り組みを促そうとしている。

 では、企業子宝率はどのように算出するのだろうか。算出に必要なデータは(1)59歳以下の従業員の人数と年齢(2)その従業員の子供の人数と年齢、だ。このデータを年齢順に並べ、各年齢区分において従業員が何人子供をもうけたかをまず計算する。

 やり方はこうだ。例えば、現在40歳で12歳と9歳の子供を持つ従業員がいる場合、その企業では従業員が28歳と31歳の時に子供が生まれたと考える。すると、その企業は年齢区分が25~29歳の20台後半に1人、30~34歳の30代前半に1人、子供が生まれたことになる。このようにして年齢区分別に従業員が子供をもうけた数を算出する。

 その一方で、各年齢区分を経た従業員の数も算出する。例えば、従業員数10人の会社で、20代が3人、30代が3人、40代2人、50代が2人いる会社があったとしよう。そうなると、10代を経た従業員数は10人、20代を経た従業員数は7人、30代を経た従業員は4人…という風に値が算出できる。

 最終的には、こうして計算した各年齢区分を経た従業員数を分子に、前述の年齢区分別の子供の数を分母にした値を算出する。これを足し合わせた値が企業子宝率となる。実際には、その後も開発者の渥美氏が、企業ごとの従業員の年齢層の偏りなどに配慮した補正を行う作業が発生する。

 なぜこのような面倒くさい作業を行うかというと、企業子宝率は「各年齢区分に達した社員の中で、何人の社員が子供を持ったかという確率に基づき、各年齢区分で何人ずつ子どもを持つはずだと推計するもの」だからだ。実際の子供の数だけでなく、従業員の出産年齢の分布や傾向を数値化することで「子供の産みやすさ」を捉えようとしている。

「地方創生 1122社調査で見えた 日本を救う子宝企業」のバックナンバー

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「企業子宝率を知っていますか?」の著者

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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