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「人民元圏で生きる決意」を固めた韓国

「日韓スワップ終了」を真田幸光教授と考える

2015年3月5日(木)

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 韓国は人民元を頼りに生きる決意を固めた――。日韓スワップの終了を真田幸光・愛知淑徳大学教授と考える。(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)

日本のドルに恋々とするな

日韓の2国間スワップが2月23日をもってすべて終了しました(「『目下の日本』からドルは借りない」参照)。

真田:韓国は金融面でも中国頼みで生き残ることを決意したと思います。少なくとも国際金融界はそう見なしたでしょう。

韓国の2国間スワップの相手から日本が消えたうえ、中国とのスワップが総枠の70%を占めるようになりました(表参照)。中国頼みとの判断は、ここからですか?

韓国の通貨スワップ(2015年2月現在)
相手国規模締結・
延長日
満期
中国3600億元/64兆ウォン(約560億ドル)2014年
10月11日
2017年
10月10日
UAE200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル)2013年
10月13日
2016年
10月12日
マレーシア150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル)2013年
10月20日
2016年
10月19日
豪州50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル)2014年
2月23日
2017年
2月22日
インドネシア115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル)2014年
3月6日
2017年
3月5日
CMI<注>384億ドル2014年
7月17日
<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)はIMF融資とリンクしない場合は30%まで。
資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)

真田:そうです。ことに問題は、韓国が「お前のドルなんか借りないよ」と日本にケンカを売る形でスワップを終了させたことです。最後の2国間スワップとなったのは、チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の枠組みの中の100億ドルでした。

 CMIは1997年の通貨危機に苦しんだアジア各国がつくったセーフティネット。アジア協力の象徴なのです。各国が見守る中、韓国は協力の枠組みの一部である、日本からの100億ドルを蹴り飛ばしてみせたのです。

鈴置:韓国各紙は「日本など相手にするな。欧米と結べばよい」と書いています。例えば、朝鮮日報(韓国語版)の2月18日付社説の見出しは「韓日通貨スワップ、恋々とせずに米・EUチャネルを開け」でした。

仲間外れの韓国

「恋々とするな」とは?

鈴置:韓国の金融界は日本とのスワップを続けたかったのでしょう。でも、今の韓国社会は「日本ごときに頭を下げられない」との空気が支配しています。当然、「卑日」路線の朴槿恵(パク・クンヘ)政権も延長を要請しなかったわけです。

 そこで朝鮮日報は金融界など「恋々とする勢力」に対し「米・EU」という代案を提示したうえ「日本、日本と未練がましいことを言うな」と叱ったのでしょう。

真田 幸光(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授(学部長・研究科長)/1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。

真田:「米・EU」が韓国を助けるかは甚だ疑問です。韓国は外貨不足の国ですから、国際金融市場では常にドルの借り手です。

 超短期のドル資金の融通――1日間で決済するので「オーバーナイト」と呼びます。ギリシャ問題などを抱える欧州の金融機関には、この「オーバーナイト」のドルを韓国に貸す余裕はありません。

 一方、米国。その余裕があったとしても、韓国の現在のリスク要因を考えれば、簡単に貸すとは思えません。

 韓国は日常的な取引でさえ仲間外れにされているのに、いざという時の信用供与を「米・EU」に頼めるのか――。韓国紙の主張は絵に描いた餅に終わる可能性が大です。

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「「人民元圏で生きる決意」を固めた韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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