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畑が癒やす「万引き被害ですり減った心」

農業が居場所を与えてくれた

2015年3月6日(金)

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 今回は番外編。登場する赤坂拓昭はまだ農業を始めたばかりで、どんな経営をしていくのか手探りの段階にあるからだ。ただ彼が農業の世界に入るまでの経緯をふり返るとなかなかに重い。農業の魅力をあらためて考えるためのきっかけにはなるだろう。

農業への希望を明るく話す赤坂拓昭さん(千葉市の郊外)

 1月下旬、千葉市の郊外に赤坂を訪ねると、作物を寒さから守る白い薄膜のトンネルが畑に帯状に並んでいた。育てているのは小松菜やチンゲンサイ、水菜、ホウレンソウなどだ。

 「まだまだ試行錯誤の段階です。トンネルを張っては風に飛ばされ、張っては飛ばされっていうのをくり返してます」。赤坂はそう言って屈託のない笑顔を見せた。

 30代半ばの赤坂は、昨年4月にここで畑を借り、農業を始めた。その直前、昨年2月までは亡くなった父親の後を継ぎ、東京都内で中堅チェーンのコンビニを経営していた。

いい思い出のないコンビニ経営

 「かつてはチェーンのなかでトップ10に入る優良店舗でした」。まわりには高級ブティックなどが立ち並び、ほかのコンビニが入り込む余地はなく、「一人勝ちの状態が続いていた」という。

 長引く景気低迷が、状況を変えた。高級店が撤退し、その後にセブンイレブンやローソンなどの大手チェーンが出店し始めたのだ。本部が提供するオペレーションシステムや品ぞろえに大きく影響されるのがコンビニだ。売り上げが見る間に減り始めた。

 「コンビニにはいい思い出は残っていません」。赤坂はそうふり返る。「なんとか利益を出す方法はないのか」。本部に相談すると、「勝てっこない。あきらめてくれ」。対応策をまともに提示してくれることはなかった。

 いや、提案はあった。「アルバイトに有給休暇をとらせたら、赤字になる」と相談すると、本部は「あなたが店に出ればいいではないか」。「24時間、店に出るしかなくなる。いまでも、休みらしい休みはとってない」。人件費を減らすため、バイトの数を大幅に減らしていたからだ。だが、そう言うと、「こっちだって有給休暇なんてとってない」。

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「畑が癒やす「万引き被害ですり減った心」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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