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「米大使襲撃」で進退極まった韓国

「二股外交の破綻」を韓国の識者に聞く

2015年3月10日(火)

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 韓国の進退は極まった――。「米大使襲撃事件」を韓国の識者、Aさんに聞いた(注)

(注)Aさんは韓国を冷静に語る人で「安倍首相の韓国語は失敗でした」などに登場している。

零下の街頭で踊る

A:韓国は窮地に陥りました。3月5日にリッパート(Mark W. Lippert)駐韓米大使への襲撃事件が起きたからです。「米国から見捨てられるかもしれない」と韓国人は首をすくめています。

 事件2日後の7日に市内の米国大使館の前を通ったら「大使を愛しています」などと書いたプラカードを掲げた人々が立っていました。

 負傷した大使の治癒を祈るつもりで、カネや太鼓で踊っている人々もいました。ろくに風をさえぎるものもない、下手すれば摂氏零度以下の場所で、です。

 この事件で韓国は米国に大きな借りができました。THAAD(サード=終末高高度防衛ミサイル)の在韓米軍基地への配備も、もう拒否できなくなるかもしれません。

 中国が進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加も見合わせようとの空気が濃くなるかと思います。そもそも「AIIBには参加するな」と米国に強く止められていましたから(「米中星取表」参照)。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか
(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年3月9日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権
の行使容認
2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の
MDへの参加
中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への
THAAD配備
韓国国防相は一度は賛成したが、中国の反対で後退
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習
の中断
中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの
正式参加(注1)
正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの
反米宣言支持
2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの
加盟 (注2)
米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明見送り、継続協議に
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。
(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)を、米国と日本が力を持つADB(アジア開発銀行)への対抗馬として育てる計画。
(注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

 いずれにせよ、この事件は尾を引くと思います。単なる大使傷害事件ではないのです。米国が韓国に対し「中国側に行くつもりか」と警戒する最中に起きた事件だったからです。

 ことに2月27日、米国のシャーマン(Wendy R. Sherman)国務次官がワシントンで「 Remarks on Northeast Asia 」と題して演説し「中国とスクラムを組んで日本を叩く韓国」を牽制した直後でした。

 そして米国務次官に対し、韓国紙が一斉に「日本の味方をするのか」「発言を取り消せ」と反撃する最中でもありました。


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コメント18件コメント/レビュー

「中国、韓国にサード放棄台の経済インセンティブの提供」―米国の保守的な軍事専門オンラインメディアであるワシントンフリービーコンは9日(現地時間)、米国の前•現職の管理を引用して習近(習近平)中国国家主席が朴槿恵大統領に米国のサード配置計画を許可しないことを直接訴えながら、そのテコに韓国に貿易と経済交流を増やす案を提案したと主張、と韓国メディアが報じているようだ。具体的な提案内容までは分からないが、不振が続く韓国(経済)の足元を見透かした中国のしたたかさが伺える。中国は韓国を利用した「反日」作戦も進めているとのことだが、シャーマン国務次官の発言を覆したい韓国は大喜びで共闘するだろう。A氏の予想は的中しそうだ。(2015/03/10)

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「「米大使襲撃」で進退極まった韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「中国、韓国にサード放棄台の経済インセンティブの提供」―米国の保守的な軍事専門オンラインメディアであるワシントンフリービーコンは9日(現地時間)、米国の前•現職の管理を引用して習近(習近平)中国国家主席が朴槿恵大統領に米国のサード配置計画を許可しないことを直接訴えながら、そのテコに韓国に貿易と経済交流を増やす案を提案したと主張、と韓国メディアが報じているようだ。具体的な提案内容までは分からないが、不振が続く韓国(経済)の足元を見透かした中国のしたたかさが伺える。中国は韓国を利用した「反日」作戦も進めているとのことだが、シャーマン国務次官の発言を覆したい韓国は大喜びで共闘するだろう。A氏の予想は的中しそうだ。(2015/03/10)

最終ページでのA氏の語るシナリオに、A氏の絶望を感じました。ただし最終的な結論に至る過程がないためか結論が唐突であり、荒唐無稽とは言わないまでも大袈裟な印象を受けました。冷静と呼ばれるA氏でこれだけ極論を言ってしまうのですから、安倍首相や二階議員が口を揃えて「韓国は外交のできない国」と漏らしてしまうのもむべなるかな。(2015/03/10)

韓国話題で、中国共産党(中華人民共和国の統治者)の世界政策を論ずるのは変かもしれないが、かつて習近平主席がオバマ大統領に太平洋を日付変更線の東西で分けようと提案したと聞いたとき、南半球は別だろうと思ったが、オセアニアの人口動態の話を聞くと、世紀のオーダーまで想定すると、そうとも言えないようである。第一列島線、第二列島線という不愉快な用語が明らかなように、日本列島は中国共産党の取込み予定先に入っているようであり、当然、その前に、朝鮮半島を内国化する予定であろう。ただし、これは飽くまでも中国共産党のシナリオの極大版であり、その方向の意思を強めようとしているわけではない。要するに、相手があってのことであるが、相手が鈍感であったり、隙を見せれば、そのときは、このシナリオが部分的にせよ、発動される。南沙諸島、尖閣がよい例である。韓国の対中国政策は、こういう点で甘すぎたし、本来、保険として、極めて友好な関係を(アメリカを介在して)構築し維持しておかなければならない日本という国を、日本が対韓で対応不能になるような形に追い込み、韓国にとっての保険としては全く機能しないようにしてしまった。これは韓国の落ち度であるが、当然、中国共産党には機会が開けたのである。さて、問題は、日本の当局者が、日本の独立のために必要な手を打っているかということであるが、さて。これは自衛隊を強化するといった類のことを意味しない。まさしく、世紀単位の中国共産党的価値観と対抗できるだけの長期的な価値観の確認が我々にできているかということである。(2015/03/10)

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