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「こちらに来るなら3月中」と韓国を急かす中国

「駐韓米大使襲撃事件」を木村幹教授に聞く(2)

2015年3月20日(金)

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 中国側に行くのか米国側に残るのか――。韓国に対する「踏み絵」の期限が突然、3月末に繰り上がった。揺れる韓国を木村幹・神戸大学大学院教授と読む(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

対韓融和派を傷つけた

大使襲撃事件により、米国は韓国への姿勢を変えるでしょうか?

木村幹(きむら・かん)
神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作は『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)。ホームページはこちら

木村:短期的には大きな影響はないでしょう。米国は1人の跳ね返りの犯行に怒って、韓国への政策を変えるほど「子供」ではありません。

 でも構造的、あるいは長期的には影響が出るでしょう。犯人は大使、それも「米中間で板挟みになりがちな韓国の立場にも配慮すべきだ」と説いていた対韓融和派の大使を傷つけてしまったのです。この結果、ワシントンで対韓政策を決める際の勢力バランスが変わる可能性があります。

 朝鮮半島には関心が薄かったオバマ(Barack Obama)大統領も、この事件で朝鮮半島情勢、とりわけ韓国社会の雰囲気の変化に注目したことでしょう。

「3・1節デモ」がいみじくも示したように、韓国の「反日」は「反米民族主義」をカモフラージュする側面が強い。それに気がついた米国人も多いと思います(「『反米民族主義』が復活する韓国」参照)。

 実際、米専門家の間では事件前から懸念が高まっていて、生え抜きの外交官であるシャーマン(Wendy R. Sherman)国務次官が韓国に対し「安易な民族主義の利用はやめるべきだ。そうでないと外交を誤ることになる」と警告したばかりでした。

被害者ぶるな

鈴置:米国はこの事件をテコにして、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の「二股外交」や「離米従中」をやめさせるつもりでしょう。

 3月8日にリッパート(Mark W. Lippert)大使が入院先で語った「これは米国への攻撃だ。米韓同盟を一層強固にすべきだ」 との発言がそれを物語っています。

 以下は私の見立てです。まず、米大使は「米国への攻撃だ」という言葉で「お前ら韓国人は被害者ではなく、加害者だろう。責任転嫁するんじゃない!」と叱った。

 韓国紙が社説で「大韓民国へのテロだ」などと自分も被害者になりすまそうとしていたからです(「『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。

 さらに米大使は「米韓同盟を強固に」という文言で「米韓同盟を維持したいなら、二股外交をやめろ。終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)の配備ぐらい、さっさとのんだらどうだ」と要求した――と読めるのです。

 韓国人もその辺の感じはよく分かっている。日本人に向かっては「雨降って地固まる」などと強がってみせます。でも内心は、米国の顔色を必死でうかがっています(「『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。


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「二股外交」の策を弄し続けてきた韓国。
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いよいよ中国の手のひらで踊るしかない状況に「従中」か「米陣営に戻る」か「中立化」か国論は分裂、焦燥感と閉塞感が社会を覆う。
揺れる韓国が招く北東アジアの流動化、新たな勢力図と日本の取るべき進路を、読み切る。

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』に続く待望のシリーズ第5弾。オンライン未掲載のオリジナル年表なども収録。3月9日発行。


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「「こちらに来るなら3月中」と韓国を急かす中国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官