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宇宙太陽光発電へのはるかな道

3万6000kmの道も55mから

2015年3月25日(水)

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 太陽光発電に逆風が吹いている。2015年度の買取価格は2014年度からkWh当たり5円下がり27円になる(ただし、6月末までの3か月間は29円)。さらに、グリーン税制に基づく即時償却制度も3月末で終わる。

太陽光に陰り

 ここまでだけなら、これまでの「優遇期間」が終わっただけなので「想定内」の話。「逆風」というほどのことではなく、「順風が止まった」というだけのことかも知れない。しかし、筆者が本当に懸念するのは、本年1月26日から施行された制度改正。特に、出力抑制の上限が30日から360時間に変更(実質的に大幅増加)されたことの影響が大きい。

 太陽光発電の弱点は、出力が一定しないこと。夜は全く発電せず、雨の日も数分の1から10分の1程度まで下がってしまう。そういう不安定な電源が増え過ぎると、電力システム自体が不安定になる、というのが、出力抑制の理由だ。対する原発、地熱、小水力等は常時安定して発電できるので、ベースロード電源と言われる。

 ならば、夜をなくし、ついでに雨もなくしてしまえば太陽光発電の出力を安定させられるではないか。そんなことはできない…というのは地上での話。

太陽光による発電量の変動(日毎)
(2015年2月1日-28日)
出所:筆者作成(石岡1号)

宇宙は常に快晴

 宇宙なら常に太陽光が当たり、常に快晴。だから、宇宙空間で太陽光発電をして地上に送電しよう、というのが、宇宙太陽光発電(Space Solar Power System:SSPS)の考え方だ。現状では、まだ芽が出たばかりのレベルだが、筆者自身、SSPSに少なからず関わっており、長期的には重要な技術と考えている。

 宇宙と言っても、ISS(国際宇宙ステーション)が飛んでいるような高度400km程度では、半径6400kmの地球にとっては、「薄皮」みたいなものであり、地球の夜側を飛んでいる時には日は当たらない。また、日本から見えている時にしか電気を送ることはできない。

 そのため、SSPSを設置するのは、高度3万6000kmの静止軌道上である。この高度になると、ほんの短時間を除いて1年中ほとんどの時間、日が当たる。また、静止軌道上なので、常に赤道上の同じ場所にある。ここに巨大太陽光発電施設を設置し、その電力をマイクロ波あるいはレーザー光に変換して地上の受電ステーションに送り、地上で再び電力に変換するのだ。

 この方法により、夜間でも悪天候時にも年間を通じて安定的に地上への電力供給が可能になる。そのため、SSPSは、クリーンなベースロード電源として期待されている。

宇宙太陽光発電(SSPS)
地上が夜でも宇宙は昼
出所:筆者作成

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「宇宙太陽光発電へのはるかな道」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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