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熊野古道、「世界遺産の賞味期限=3年」説を覆す

知名度が海外で上がり続ける理由(前編)

2015年3月27日(金)

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世界遺産ブームで終わらない熊野観光の強さ

熊野古道「中辺路」(写真左)。熊野本宮大社の神域の入口とされる「発心門王子」(写真中)から「熊野本宮大社」(写真右)までの6.9kmは、初心者でも歩きやすい人気コース

 世界遺産登録で観光客が増えるのは最初の1、2年で、3年目には客足が落ちるといわれます。例えば2007年に世界遺産登録された島根県大田市の石見銀山は、2年目には登録前の2倍を超える81万人を集めましたが、3年目には56万人に減少、2012年にはほぼ登録前の水準に戻りました。石見銀山にも銀の積み出しや物資輸送のために使われた港に続く古道「銀山街道」がありましたが、世界遺産登録時、古道ウォークや美しい町並み・景観をゆっくり歩いて楽しむまち歩きなどの着地型観光を確立することができませんでした。

 これに対して、「紀伊山地の霊場と参詣道」(下の表)の歴史を見ると、1800年代に神仏分離令や修験道廃止令により、参詣道は一度途絶え、世界遺産登録前まで熊野古道を歩く人はほとんどいなかったといいます。見直しが始まったのは国の文化財保護行政主導の事業からでした。

世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」年表-和歌山県、田辺市の歩み
出典:和歌山県世界遺産センター「紀伊山地の霊場と参詣道の変遷年表」「和歌山県保存管理計画」ほか

 1977年、6カ年に渡る「高野参詣道、熊野参詣道、葛城修験の道等の歴史の道調査事業」がスタート。78年には「中辺路(田辺市中辺路町滝尻から東牟婁郡那智勝浦町浜の宮間)整備事業」、87年には「高野山町石道整備事業」が行われました。

 和歌山県が世界遺産登録に向けて動き出したのは97年頃。当時、既に世界遺産登録のハードルは上がっており、特色のある世界遺産を推薦するという文化庁の意向で、熊野三山、高野山(密教)、吉野(修験道)という3つの異なる宗教文化を結ぶ参詣道に白羽の矢が立ちました。和歌山県は2000年4月に「世界遺産登録推進室」を設置、6月には「和歌山県世界遺産登録推進協議会」を設立。2001年4月、世界遺産暫定リストに記載されると、5月には奈良県、三重県と「世界遺産登録推進三県協議会」を発足、2004年7月、世界遺産登録を果たしました。

 一方、田辺市では世界遺産登録を受け、それまでの観光振興のあり方を大きく転換しました。きっかけは2005年、田辺市と周辺4町村とが合併したことでした。合併後の新市の面積は和歌山県の22%を占め、世界遺産登録された熊野古道の中辺路の滝尻王子から熊野本宮大社(大斎原)まで約60kmが田辺市となりました。この合併によるスケールメリットを最大化するため、市内5つの観光協会は「田辺市観光協会連絡協議会」を設立。当初は観光協会の一本化を目的としていましたが、各協会は歴史的な背景や会員構成、観光協会に求められる役割などもまちまち。一本化はせず、各会の独自性を尊重して残すこととし、新市の観光振興事業を推進する組織は別に立ち上げることにしました。

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「熊野古道、「世界遺産の賞味期限=3年」説を覆す」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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