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「引き算」と「味覚検査」を超えろ!

本物を探す企業に、農家は応えられるか

2015年3月27日(金)

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 コンビニでおにぎりを手にとってラベルを見ると、いろんなことが書いてある。アミノ酸、グリシン、pH調整剤、増粘剤、酸化防止剤、亜硝酸Na――。何を目的に加えたのか、しろうとには分かりにくいが、食品が「売れる」ようにするための企業努力の結果なのだろう。だがなかには、まったく逆の方向に挑戦している会社もある。今回は「引き算」の発想で商品開発をしている食品メーカーを紹介したい。

「イシイのミートボール」は“原点”

 「これを飲んでみてください」。ミートボールで知られる石井食品(千葉県船橋市)に取材に行くと、広報担当がグラスに入ったニンジンジュースを持ってきた。甘く、ニンジン特有のくさみも苦みもまったくない。本社前のマルシェで売っているニンジンを、その場でミキサーにかけてジュースにしたものだ。

 約70年前、つくだ煮の製造で創業した石井食品は、1997年に経営のカジを大きく切った。食品添加物などの使用をやめ始めたのだ。「昔の母親は子どもの食事に添加物を使っていなかった。その原点に戻るべきだと考えた」。社長の長島雅はそうふり返る。

 目指すのは、できるだけシンプルな食材で商品をつくること。例えば、主力商品のミートボールは食用油脂のショートニングや菜種油、チキンブイヨン、アミノ酸、コショウなどの使用をやめた。

主力のミートボール。使う食材をぎりぎりまでシンプルにした(京都府京丹波町の工場)

 2006年にはさらに卵と牛乳を使うのもやめた。食物アレルギーのある子どもに配慮した結果だが、ユニークなのは、専用の商品をつくらず、すべてのミートボールから卵と牛乳を排除したことだ。「みんなと同じものを食べたい」という願いに応えるためだ。

 商品開発の方針を「引き算」に変えたことで、当然のように新たな課題が浮上した。本当においしい食材を使わないと、消費者に受け入れられる商品にならないのだ。

コメント2件コメント/レビュー

企業の努力は驚きとともに敬服いたします。しかし、千葉から京都に食材を変えただけで気づいて、震災直後に、会社へ「味が違う」と連絡する消費者がいることも驚きです。ここは、こういう消費者が日本の高品質を支えていると見るべきなのでしょうか。(2015/03/27)

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「「引き算」と「味覚検査」を超えろ!」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

企業の努力は驚きとともに敬服いたします。しかし、千葉から京都に食材を変えただけで気づいて、震災直後に、会社へ「味が違う」と連絡する消費者がいることも驚きです。ここは、こういう消費者が日本の高品質を支えていると見るべきなのでしょうか。(2015/03/27)

石井会長は「安全で、しかもおいしいことが前提」と述べられています。食品産業、外食産業などの多くは、スタート時点において「安全で、しかもおいしいこと」をスローガンにしており、素材にも拘っています。しかし時の経過、売り上げの増加などとともにスローガンの内容はおざなりになりがちで、残念ながら、このことを私たちは報道などで知ることができました。(2015/03/27)

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三品 和広 神戸大学教授