• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

農地が痩せたのはだれのせいか?

ここにもあった減反の罪

2015年4月3日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本の食料問題を考えるための指標として、新たに「食料自給力」が注目を集めている。いざというときに、田んぼや畑で食料をどれだけつくれるのかを示す指標だ。だが農地の広さだけ測っても、食料の供給力が分かるわけではない。日本の農地の地力はどうなっているのか。農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センターで土壌の研究をしている新良力也上席研究員に話を聞いた。

大豆をつくる水田は肥沃度が低い

日本の農地の地力はどうなっていますか。

地力の低下に警鐘を鳴らす新良力也氏(つくば市)

 「我々が調べているのは、水田の地力です。本州以南の地域は水田が大部分を占めている。その地力が広く落ちている可能性があります。とくに注目しているのが、生産調整(減反)の結果、水田で稲以外の作物をつくっている農地の地力です」

 「例えば、富山県では、減反が始まったころ、転作作物として水田で大豆をつくると、10アール当たりで250キロぐらいとれていた。最初は一生懸命つくったので収量が増えた。ところがその後、減り始め、最近では150キロぐらいしかとれなくなった」

 「そこで現場の農家や普及員の間で、『最近とれなくなったよね』『土がやせているんではないか』という声が出始めた。これが、我々が地力を調べ始めたきっかけです。10年くらい前から調査を始めました」

結果はどうでしたか。

 「減反を始めたころの地力を調べて比べることはできません。そこで、稲をつくり続けている水田と、転作で大豆をつくっている水田を比べてみました」

 「土の肥沃度はいろんな要因が左右します。まず窒素、リン酸、カリウムのような栄養分がある。病気が出にくい土壌というのもある。水はけが適度にいいかどうかも影響する。そのなかで、最も重要な栄養分である窒素を調べました」

 「実験室でビーカーに土と水を入れ、一定の時間内にどれだけ窒素、具体的にはアンモニアが出てくるかを調べました。その結果、はっきり分かったのが、稲をつくらず、大豆をつくる年数の多い水田ほど、肥沃度が低いということです。地力の消耗と、過去に何回畑作をやったかが関係しています」

コメント3件コメント/レビュー

長く暮らした土地は一方に田園が広がっていたが、殆どが兼業農家らしく、田圃で農作業している姿を見る事が非常に少なかった。田植え前に田を耕し、田植えをすると、その後は収穫時期まで田圃に出ないようだ。稀に田圃に生える雑草を手で抜き取っている農家を見る事もあるが、殆どは雑草が生えないような農薬を使ってでもいるのか、田圃に雑草が生えない。畦には除草剤を撒いて枯らせる田圃が多い。農機の大型化に伴い、一部作業を委託する形態から、近頃は全面的に農作業を専業農家に委託することが多くなったと聞いている。担い手に農地が集中する事は、「手抜き」農業を止める良い機会だと思う。これを加速させるためにも、耕作放棄地などは地主の了解を得られなくても市町村を仲介して専業農家に土地をタダで貸し出しが出来る様な法律が必要だと思う。放置された耕作放棄地は農作物が出来ないだけでなく、害虫の住処になったり土地の養分を失わせる。タダで貸しても、その地方の産物が増える訳だから、自治体の利益にもなる。日本の国土を有効に利用するためには、所有権と利用権を分離し、農地であれ、宅地や商業地であれ、荒れるに任せて放置(例えば2年以上)した場合、所有者は利用権を失う様にすれば、日本全体で土地の有効利用は促進されるはずだ。現代日本で開発の足を引っ張っている原因の一つが「所有権」である事は、明らかだ。権利というものは義務を果たす事によってのみ得られるものだという当たり前のことを法律で明文化することは意味深いと思う。(2015/04/03)

「ニッポン農業生き残りのヒント」のバックナンバー

一覧

「農地が痩せたのはだれのせいか?」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

長く暮らした土地は一方に田園が広がっていたが、殆どが兼業農家らしく、田圃で農作業している姿を見る事が非常に少なかった。田植え前に田を耕し、田植えをすると、その後は収穫時期まで田圃に出ないようだ。稀に田圃に生える雑草を手で抜き取っている農家を見る事もあるが、殆どは雑草が生えないような農薬を使ってでもいるのか、田圃に雑草が生えない。畦には除草剤を撒いて枯らせる田圃が多い。農機の大型化に伴い、一部作業を委託する形態から、近頃は全面的に農作業を専業農家に委託することが多くなったと聞いている。担い手に農地が集中する事は、「手抜き」農業を止める良い機会だと思う。これを加速させるためにも、耕作放棄地などは地主の了解を得られなくても市町村を仲介して専業農家に土地をタダで貸し出しが出来る様な法律が必要だと思う。放置された耕作放棄地は農作物が出来ないだけでなく、害虫の住処になったり土地の養分を失わせる。タダで貸しても、その地方の産物が増える訳だから、自治体の利益にもなる。日本の国土を有効に利用するためには、所有権と利用権を分離し、農地であれ、宅地や商業地であれ、荒れるに任せて放置(例えば2年以上)した場合、所有者は利用権を失う様にすれば、日本全体で土地の有効利用は促進されるはずだ。現代日本で開発の足を引っ張っている原因の一つが「所有権」である事は、明らかだ。権利というものは義務を果たす事によってのみ得られるものだという当たり前のことを法律で明文化することは意味深いと思う。(2015/04/03)

私は家庭菜園どまりの素人ですが、マメ科、ウリ科、ナス科を代表として農作物には大なり小なり連作障害があるが、稲作だけは水耕栽培という特殊な方法なためそれを免れているということではないでしょうか。だから、転作に伴って野菜を植えれば当然の帰結、減反で土地が痩せたという問題ではないと思います。この連作障害は特効薬がなく本当に厄介なもの、日本の農業技術で克服してもらいたいと思います。(2015/04/03)

当家はもとより、どこの農家も減反は日の当たりや水はけ、耕作に手間のかかる田を優先的に行ったと思う。地力は最初から低めだったのでは?減反した田は養蜂家と契約し、スミレを植えて補助金をもらってた。こうでもしないと減反に応じる農家はなかっただろうが、、。で、このスミレが枯れる頃になると、父は毎年丁寧に耕運機ですき込んでいった。土を適度にほぐして柔らかくする農家の年間行事であり、いつでも稲作に戻せるように、との思いもあったと思う。結果的に有機物の酸化を促進させたようだ。(2015/04/03)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授