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「キヤノンの痰壷」はさげすみではない

得体の知れないものは不気味だがオモシロイ

2015年4月9日(木)

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1986年、当時の中曽根首相と会談するトウ小平氏。その足元には、しっかりと痰壷が置かれている(写真:アフロ)

 中国人の間で「小痰盂」(小さい痰壷)という、ありがたくないニックネームで呼ばれている日本のモノがある。「EF 50mm F1.8」というキヤノンの一眼レフカメラ用の交換レンズである。

 写真を少し専門的に勉強しようという若者が、「カメラマンになりたいならズームレンズを使おうなどと横着せず、まず単焦点のレンズを付けて、自分の足を使って近づいたり離れたりしてたくさん撮りなさい」と言って師匠や教師から勧められるのがこのレンズだ。レンズはFの値が小さいほど光を多く取りこめるので暗い場所でも手ブレせずに撮れるが、カメラメーカーがボディと抱き合わせで売るレンズキットはせいぜいF値が4程度。その点キヤノンのEF 50mmは600元前後(約1万2000円)と手ごろな価格ながら、F1.8と明るく描写も優れていると評価の高いレンズだ。

小さな痰壷のようなレンズとは

 その安価で質の高いレンズになぜ小さな痰壷というニックネームが付けられたのかといえば単純な話で、ずんぐりむっくりした形状が痰壷に似ているからというのが理由。とはいえ、日本ではいまや痰壷自体見たことがないという読者も多いことだろう。

 日本でもJRがまだ国鉄だったころまでだろうか、駅のホームの柱の陰などで白いほうろう(?)やペンキの缶のような容器を流用した痰壷をよく見たものだが、最近はほとんど見かけなくなった。

 一方、かつての中国では、公共の場所よりも家庭でよく痰壷を見かけた。私が中国に留学していた1980年代末には、各家庭のソファーやベッドの足下に少なくとも1つはあったように思う。今では上海の家庭ではほとんど見かけなくなったが、雑貨屋にはなお必ずといっていいほど置いてある。ただ、以前なら専用の痰壷があったようだが、現在では小用の便器としても利用できるいささか大ぶりのモノが多いので、キヤノンの50mmレンズとはいささか形状が違うのであるが。

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「「キヤノンの痰壷」はさげすみではない」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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