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セブン銀行が山手線で中国語広告を出したワケ

ATMのガラパゴス化が商機となる

2015年4月10日(金)

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今年2月18日、JR山手線に掲載されていたセブン銀行の広告。ドア横の目立つ位置に中国語のみの広告があったので、面食らった人も多かったはずだ

 「在什么地方可以直接提取日元」
(どこに行けば日本円が手に入りますか?)

 今年2月中旬、中華圏の正月に当たる春節の時期、JR山手線をはじめとする都内の主要路線に、外国語表記の広告が掲載されて話題を集めた。英語版もあるものの、目立ったのが中国語版だ。

 仕掛けたのはセブン銀行。自社のATM(現金自動預け払い機)が海外で発行したカードにも対応していることをPRするため、中国人観光客が数多く訪れる春節に、空港や駅、電車内など外国人が集まる場所に掲載した。

 訪日外国人客の間で、日本は現金を手に入れられる場所が少ない国として認知されている。2002年に開かれたサッカーのワールドカップの際、多くの外国人が日本円をATMで引き出そうとしたができなかった。それを機に、話が一気に広まったという経緯がある。

 なぜ日本の多くのATMは、海外発行カードに対応していないのか。それはカードの構造自体が違うからだ。

日本は表面、海外は裏面

 海外ブランドのキャッシュカードやクレジットカードは、磁気がカードの裏面に付いている。一方、日本のキャッシュカードの磁気は表面に付いているものが大半だ。カードの構造自体が違うのである。従って、カード差し込み口に付いている磁気読み取り機器も、海外のATMは下部に付いているのに対し、日本のATMは上部に付いている。これは、日本のキャッシュカードが世界標準(グローバルスタンダード)でないがゆえの問題と言える。

 セブン銀行が海外カードの取り扱いをスタートしたのは今から9年前の2007年のこと。セブン銀行開業から6年後のことだった。当時、中国人の海外旅行者数が急速に増えつつあった。中国のカード会社、中国銀聯から「中国で発行した銀聯カードが日本で使えるようにして欲しい」という要望が寄せられ、当時の安斎隆社長(現会長)が即決したという。

 同社のATM機器の開発者が海外カード対応を見込んで機器を設計していたこともあり、迅速に対応できた。カードの磁気読み取り機器を差し込み口の上部と下部の両方につけることで国内と海外、両方のキャッシュカードに対応するATMを用意したのである。これにより、ビザやマスターカード、銀聯カードといった海外発行カード、7社10ブランドが使えるようになった。

 セブン銀行のATMの多くは、セブンイレブンの店舗内にあるうえ、365日24時間利用できる。「コンビニと言う分かりやすい場所にある」かつ「いつでも引き出せる」点が、訪日外国人客のニーズに合致していた。

冒頭の広告は中国で標準語として使われている簡体字版。中国南部や台湾で使用されている繁体字版も用意された

コメント6件コメント/レビュー

よく判らないが、なぜ磁気面が海外と違うのか?こんなこともガラパゴスって、使い勝手の問題ではなく単なる最初のかけ違い?統一は無理?(2015/04/10)

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「セブン銀行が山手線で中国語広告を出したワケ」の著者

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

よく判らないが、なぜ磁気面が海外と違うのか?こんなこともガラパゴスって、使い勝手の問題ではなく単なる最初のかけ違い?統一は無理?(2015/04/10)

海外のビジネスパートナーがキャッシングするのに使えるATMは、セブン銀行と郵貯銀行、そして新生銀行やシティ銀行等の外国銀行。ただ、店舗網では前2社に頼り切って来ました。都内でさえこの有り様で、郵貯銀行は宣伝・周知さえしていない。地方に行けばクレジットカードを使えない店や施設が多い中、観光立国を目指すという我が国の、制度的な課題が悩ましいと思います。(2015/04/10)

「コンビニ」はアメリカで生まれたビジネス形態だが、日本で成長成熟した。その後アジア各国に展開されている。コンビニは人口密度が高い地域に向いているのだと思う。地域の人々の日常生活に必要なものが揃えられている。その意味において、ATMを店内に設置した事は、日本におけるコンビニ発展の一助になった事は疑い様もない。アメリカとやり方が違えば、「ガラパゴス化」とバカにした様な表現をするのは、誰が考えたか知らないが、知ったか振りしたがるタイプの日本人なのだろう。それぞれの国や民族には、元来固有な文化があるが、それらを全て無くして世界中同じになってしまった世界は、想像しただけでも「詰まらない」世の中と言える。どの国に行っても「ウォルマート」があり、店内に入るとレイアウトがほぼ同じで、店内のどこに行けば何があるか、初めての店でも迷う事がない。万が一、この様な世界が実現するのだとしたら、国も世界で1つ、言葉も1つだけ、宗教や宗派も一つだけ、というのが最終型なのかも知れない。何かと言えば「ガラパゴス化」を振り回す人は、その様な世界の到来を夢見ているのかも知れない。私は賛成し兼ねる。固有な文化や、個人に至るまで「個性」を持っているからこそ、世の中は面白い。(2015/04/10)

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