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キリンは「10年の差」「広告の壁」を破れるか?

アルコールの写真NGの国、フローズン&自撮りで切り拓く

2015年4月23日(木)

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 暑い夏。ビールで乾杯して、まずは乾いた喉を潤す――。

 年間平均気温30℃の常夏の国タイでは、こうした光景を見ることが……実は意外なほど少ない。レストランや食堂でビールを注文している客といえば、ほぼ白人か日本人(とおぼしき東洋人)。ビールを飲んでいるタイ人は少数派だ。彼らが食事中に飲んでいるのは、水やコーラにジュース、それから甘い甘いアイスコーヒー。日本では、気温の上昇とともにビールの需要は高まるのに、タイではあまりビールは飲まれていないように見える。

 では、ここタイはビール不毛国なのかといえばそれも違う。タイにおけるビールの年間販売量は2012年で前年比106%の203万キロリットル。大瓶換算で約1億6000万ケース。東南アジアでは、ベトナムに次ぐ巨大市場だ。

 飲んでいる場面を見かけないのに、どうして市場規模は大きいのか。からくりを明かせば、アルコールを飲む場所が限定されるためだ。

 タイ人の多くは食事をとる場所とお酒を飲む場所を使い分けている。このため、表向きにはそれほどビールを飲んでいるように見えない。しかし、深夜のバーやクラブ、ビュッフェスタイルのバーベキューの店などに行けば、大勢が泡が沸き立つ黄金の液体を痛飲し、消費量を着実に伸ばしている国、タイ。

アサヒに10年遅れでやってきたキリン

 タイのビール市場は、「シンハー」や「レオ」「チャーン」といった手頃な価格のローカルブランドが人気を集めるエコノミービールと、オランダの「ハイネケン」やフィリピンの「サンミグライト」に代表されるプレミアムビールに二分できる。「KIRIN ICHIBAN」が挑戦するのは後者。小瓶で100~120バーツ(370円~440円)、大瓶で140~160バーツ(520円~600円)の価格帯だ。

 ここは、日本のビールメーカーにとっては難しい市場だ。料理と酒をいっしょに出す日本料理店だけを対象にするのであればことは簡単だが、それでは売り上げが限られる。酒を提供する店全般に対象を広げようとすれば、好まれる酒の種類を店ごとに見極め、得手不得手がある酒類問屋をうまく使い分け、売り込み精度を上げなければならない。レストランに納めておしまい、居酒屋チェーンに入れてOKでは済まないやっかいな市場に、「キリン一番搾り」(以下「KIRIN ICHIBAN」)を引っさげて乗り込んだのがキリンビールだ。

 だが、このカテゴリーではすでに日本の別ブランドが先行している。2002年に進出したアサヒの「スーパードライ」だ。アサヒは、「シンハー」を擁するブンロートグループと提携し、「スーパードライ」の現地生産をスタート。タイの日本食レストランや居酒屋をがっちり抑えた。ほかに選択肢がないこともあり、現状は「日本のビール=スーパードライ」だ。

 そこに約10年の遅れで、ようやくキリンビールがやってきた。

 背景にあるのは言うまでもない、縮みゆく国内のビール市場だ。

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「キリンは「10年の差」「広告の壁」を破れるか?」の著者

三田村 蕗子

三田村 蕗子(みたむら ふきこ)

フリーライター

福岡生まれ。津田塾大学学芸学部卒業。出版社勤務後、フリーライターに。ビジネス誌、経済誌、流通専門誌などで活躍中。2014年末から活動拠点をアジアのハブであるバンコクに移した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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