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「ソ連封じ込め」の原型を作ったスパイクマン

2015年4月22日(水)

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 本連載では、これまで地政学の大物として、マハンとマッキンダーの2人を紹介してきた。ここでいよいよ現在の地政学に大きな影響を与えた、3人目の人物を紹介したい。マハンが「海のマハン」、マッキンダーが「陸のマッキンダー」であるとすれば、3人目は「沿岸部のスパイクマン」である。

社会学者から戦略家へ

 今回紹介するスパイクマンは、ただでさえマイナーな地政学の祖であるマッキンダーと比べても、さらにマイナーな人物である。ところが彼が持つ潜在的な影響力は、マハンやマッキンダーよりもはるかに大きいと言えよう。

 ニコラス・スパイクマン(Nicholas Spykman:1893~1943)は、オランダの首都アムステルダムに生まれた。後に米国に移民したので、「オランダ系米国人」ということになる。

 彼のファミリーネームは、本来であれば「スピークマン」と読むのだが、マハンがメイハンであるのと同じように、「スパイクマン」という名前の方が日本でも海外でも普及している。よって、ここでも普及している方の呼び名で統一したい。

 スパイクマンも異色の経歴の持ち主だ。まず彼はオランダ人ジャーナリストとして中東と極東(おそらく中国)で取材活動を経験した後に、米国に移住。そこで社会学を専攻し、学者を志すことを決心した。

 カリフォルニア大学でジンメルという社会学者の思想を研究し、たった3年という驚異的なスピードで博士号を取得。後に、東部の名門校イエール大学に移って、国際研究所の所長などを務めた。この間に米国籍を取得している。

 ただし彼は激務に追われて体調を崩し、そのポテンシャルを十分に発揮しないまま49歳の若さでガンによって亡くなっている。生前に残したのは、書籍2冊と数本の論文だけだ。

 なお、日本で出版されている地政学に関する本の中に「スパイクマンはソ連のエージェントだったアシスタントに毒を盛られて殺された」という陰謀論を説いているものがある。これはまったく根拠のないデマなので注意していただきたい。

沿岸部をコントロールせよ

 地政学で最も重要なのが「世界観」であることは、前回までの連載でなんとなくお分かりいただけたと思う。地図で表示される地理をベースにした世界観こそが、グローバルな世界戦略を地政学的に考える基礎になるからだ。

 ではスパイクマンの「世界観」はどのようなものだったのかというと、基本的にはマッキンダーのものをベースとしている。

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「「ソ連封じ込め」の原型を作ったスパイクマン」の著者

奥山 真司

奥山 真司(おくやま・まさし)

地政学・戦略研究家

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学卒業。英国レディング大学大学院博士課程修了。戦略学博士(Ph.D)。国際地政学研究所上席研究員、青山学院大学非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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