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安倍内閣待望の「Jカーブ効果」が出てきた?

貿易収支が2年9カ月ぶりに黒字化

2015年4月24日(金)

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 アベノミクスによる円安が続けば、輸出企業が復活し、いずれ黒字に戻る――そう言われ続けてきた貿易収支が、ようやく単月で黒字になった。財務省が4月22日発表した3月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2293億円の黒字だった。貿易収支の黒字は2012年6月以来2年9カ月ぶりのことだ。では果たして、このまま貿易収支の黒字は定着し、日本はかつてのような「輸出立国」型の経済に戻ることになるのだろうか。

貿易収支

 残念ながら、まだそうとは言い切れない。3月の貿易収支が黒字になった最大の要因は、輸入額が大きく減ったことにあるからだ。月間の輸入額は6兆6981億円と、前年同月に比べて14.5%減った。原油や天然ガスなど市場価格が大幅に下落したことが大きい。

 原油などの「鉱物性燃料」の輸入額だけをみると、17兆6559億円と、36.5%も減ったのである。もともと日本の輸入全体の3割近くを鉱物性燃料が占めており、この輸入金額の下落が貿易収支の黒字化に直結したのである。

円安でも数量が減少

 3月の円ドル為替相場の平均は、1ドル=119円86銭で、昨年3月に比べて17%あまりの円安だった。本来ならばその分、原油などの輸入価格は上昇するが、それを上回るペースで原油安が進んだ。原油の輸入金額だけを見ると昨年3月の半分になった。

 鉱物性燃料以外でも、鉄鋼や非鉄金属、電気機器、自動車など軒並み輸入が減った。円安で本来は価格が上昇、輸入額は増えそうなものだが、それ以上に数量が減少しているケースが多い。国内の生産活動がまだまだ活況を呈しているとは言えない状況にあることを示しているといえそうだ。

 国別に見ると、特徴的だったのが中国からの輸入が大きく減ったこと。数量ベースでは28.8%も減少、金額で19.6%のマイナスだった。電気機器や機械などの落ち込みが大きかった。また、食料品も輸入数量が軒並み減少、金額も減った。

 中国の旧正月である春節の時期と重なり生産活動が停滞したことが響いているという解説もあるが、これが一過性なのか、今後も減少傾向が続くのかは分からない。

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「安倍内閣待望の「Jカーブ効果」が出てきた?」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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