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宗教という「不思議なもの」

「神を信じること」についてとことん考えるための本

2015年5月1日(金)

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 みなさんこんにちは。月に1度の読書コラムです。今回のテーマは「宗教」です。

 ISILが次々と人質を残虐なやり方で殺害し、その映像を世界中に公開するなど、「宗教」をキーワードにした出来事が世界にはあふれています。グローバルにビジネスを展開するうえでも、宗教に対する基本的な知識を持っていることはとても大切であり、それなしで仕事をするのはもう難しい時代に入っているのかもしれません。

 教育や経済学もそうですが、宗教も皆さんにとって一見、身近で普遍的に思えるテーマであるため、きわめて研究蓄積の深い分野であるにもかかわらず、一般論が繰り返し世論を席巻しがちであるという宿命を負っていると思います。そこで今回は、読書を通じて宗教について真面目に勉強してみましょう。

 まず、そもそも宗教って何だろう? という始原の問いを押さえておくには、この本がお勧めです。『岩波講座 宗教第一巻 宗教とはなにか』(岩波書店)です。

 社会の仕組みの変化や価値観の変化などをふまえ、宗教を多角的に、客観的に捉えるため、11人の専門家が健筆をふるい、宗教を解剖する1冊です。歯ごたえはあるものの、一般向けに書かれた宗教の本としてはとてもよくまとまっていると思いますので、総論として読んでみましょう。

教祖はいつも思想の変革者

 本書の中でもとりわけ「近代日本の宗教像」(幡鎌一弘氏)、「運動としての宗教」(竹沢尚一郎氏)、「宗教と政治」(小杉泰氏)などが、現代社会の変化を理解するうえでも有益な章だと思います。以下、何カ所か引用しましょう。

「近代の宗教言説のもっとも著しい特徴は、宗教の関わる言説の脱教会化・脱教団化である。教会制度や教団の外部において宗教が際限なく論じられることこそが、近代以来今日に至る宗教言説の特徴なのである」(「『宗教』の生誕」深澤英隆氏)

「『宗教』の一般的定義がきわめて困難であることは、およそ宗教の概説書に共通して言明されているところである」(「アジア・アフリカ的翻訳」杉本良男氏)

「かれら(編集部注:ブッダやイエス)は、現世の秩序を否定し、旧来の宗教のあり方を否定する宗教思想家として語ったのである。

 そのように、旧来の宗教を否定し、現世の秩序を拒否することを説いたかれらの思想が、広く受け入れられ、大衆的な宗教運動にまで発展したのはなぜであったか。おそらくそれは、戦争と大きな変化のあいついだこの時代に、共同体のきずなが弛緩し、貧困や差別に苦しむ人びとが大量に生み出されたことに原因があったのだろう。」
(「運動としての宗教」竹沢尚一郎氏)

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「宗教という「不思議なもの」」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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