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「イオンの商品改革、半年先には成果出す」

イオンの柴田英二・執行役が語る、商品政策180度転換(後編)

2015年5月1日(金)

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 イオンが岐路に立っている。規模では国内最大級になった同社のPB(プライベートブランド)「トップバリュ」は「質より安さ」の印象が染み付き、ブランドイメージがここ数年で悪化。日経ビジネス本誌4月27日号の特集「イオン 挫折の核心~セブンも怯えるスーパーの終焉」では、イオン不振の真相と次に目指す成長の姿に迫った。

 なぜ今、大改革に乗り出したのか。今回は、イオンで商品を担当する柴田英二執行役のインタビューの後編(前編:「トップバリュ、安さ一辺倒から脱却する」)。商品の調達からPBの開発まで、供給者の論理から消費者目線へ180度転換する背景と狙いを柴田執行役が語る。

イオンでグループの商品戦略を担当する柴田英二執行役(写真:的野弘路、以下同)

消費者起点で商品を作るというのは、小売業の基本だと思います。逆にそれが、ホワイトスペースを埋めるという供給者の視点からの開発になっていたのはなぜでしょうか。イオンとして、これまで拡大するためには本部主導の方が、都合が良かったのでしょうか。

柴田:本部主導であったがゆえにそうなったかというと、そうではないと思います。

 今まで我々は、主力業態である総合スーパーがリードする形で、マーチャンダイジング(商品政策)を進めて来ました。52週のマーチャンダイジングしかり、カテゴリーマネジメントしかり。

 カテゴリーマネジメントに基づいた商品の役割を考えると、こういう領域のストアブランドが必要で、その時のベンチマークは何かという、“あるべき論”からスタートしました。

 本来はそうではなくて、事業会社の直接的な声をもっと聞くべきだった。消費増税後、消費動向の二極化にどう対応するかという中で、「対応できなかった」という声も発せられました。

 ただ、北海道から沖縄まで事業を展開していて、北海道と首都圏が同じような二極化が進んでいるかというと、それは異なります。

 我々はマルチフォーマットであるがゆえに、戦う相手もそれぞれ違う。まさに「多極」と言えるでしょう。こうした多極化した環境にどう対応するかというと、最後はお客さまの声を聞くしかない。

 そう判断して、直接お客さまの声を聞ける体制を生かすことにしました。お客さま視点に商品開発を変えていきます。同時に機能会社から見たもう1つのお客さまが、事業会社です。つまり機能会社として、事業会社の声を聞いて商品化を進め、商品を調達する。そういう風な組織に変えて、商品開発や調達のプロセスも変えていきます。

7000億円規模の調達子会社を消滅させる狙い

 例えば、私が社長を兼務するイオン商品調達は、年7000億円を越える売り上げ規模があります。食品卸としても上位に入る規模でしょう。これを5月末で消滅させ、事業会社であるイオンリテールの商品企画の中に、機能統合を図っていきます。

 もちろんこの先も、小売りで日本一の事業規模を持つイオンとして、合理的なコスト削減や品質向上、効率の改善は進めなくてはなりません。これに資することは、イオンとして取り組み続けないといけないし、今後もこうした点を強化すべきです。そういう意味では、イオン商品調達が果たしてきた役割は評価できますし、今後も取り組む必要があります。

 ただ、その組織がどこにあるべきかというのは、時代と共に変わります。

 7000億円規模になった機能会社は、7000億円の規模があるがゆえに、その中で最適化を図ろうとします。7000億円の規模なので、日本一の価格で仕入れることができるでしょう。ですから「これで戦ってください」とやってきたわけです。

 けれど現実は、お客さまが多極化し、エリアや業態によって我々が戦う相手も違ってきた。ある商品を100円で売るよりも、別の商品を120円で売ることの方が、お客さまが求めているなら、そうすべきでしょう。そのように考えられる組織にしたいんです。

機能会社のイオン商品調達を解散して、イオンリテールに吸収するということは、「調達」という観点よりも、より「売る」ことに重きを置いたということでしょうか。

柴田:よりお客さまに近いところで判断しましょうということです。現場に近いところの、皮膚感が求めるものを実現する。ともすると、機能会社が日本一の規模を持ち、「日本一の良い商品だから売れよ。なんで売らないんだ」となってしまっているんじゃないか。だから、イオン商品調達という組織をなくすことにしたのです。

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「「イオンの商品改革、半年先には成果出す」」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネス記者

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・鉄道業界や小売業界などを担当する一方、書籍編集なども手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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