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社会のストレスは「村づくりの肥やし」

なんでこんなみんな笑顔なんだろう

2015年5月8日(金)

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 ここをいい村にしよう――。アニメ映画「もののけ姫」のラストシーンで、集落の女性リーダー、エボシ御前は戦闘で生きのこった人びとにこう話す。千葉市の郊外の農業教室を連休中の5月2日に訪ね、大好きなこのセリフを思い出した。教室の参加者とOBと、さらに新規就農者がひとつの空間を共有するように農作業を楽しんでいた。

「ITより有機農業のほうが意味があります」

有機農法を科学的に説く高橋有希さん(千葉市の郊外)

 その日は夏が来たような陽気で、教室の参加者たちは汗をぬぐいながら、作業の手順を一つ一つ確かめていた。講師を務めるのは、この連載で前に紹介した高橋有希だ(2月27日「『勉強大好き!』農業女子式“進化論” 」)。

 高橋は大手コンビニを3年で退職し、商店街の活性化を提案する仕事をしたあと、2006年に有機農業の教室を開いた。最初は教室の運営に専念し、講師は農家に頼んでいたが、コマを早送りするような勢いで技術を吸収し、いまは運営も講師も自分でこなす。

 「勉強が大好きです」。前回の取材で彼女が話したセリフの意味が、教室の現場をみてよく分かった。「今日は追肥をします。すぐ効かせたいので、水溶性のアミノ酸を使います」「ミネラル系は入れすぎると健康を害します。家庭菜園では窒素を入れるだけで十分です」。

 作業を指示するたび、必ずその理由を説明する。「そこは歩いちゃだめ。土が硬くなるから」。紙幅の関係ですべては書けないが、こんな調子でよどみなく説明が続く。「背中をみて覚えろ」式のふつうの農家の教え方を排除し、「自分で理解し、相手にも理解させる」というやり方を徹底しているのだ。

 参加者は9人。関東一円から、1~2時間かけて集まった。なかには外国人もいた。インドから来た30代のプレムは都内のIT企業に勤めている。インドといえば、世界中にIT関係の人材を輩出していることで有名だ。その彼がなぜ、日本でしかも有機農業を学んでいるのか。

 「おいしいものをつくり、人びとに提供したい。インドには有機農業はほとんどない。社会にどう恩返しするかをいろいろ考えました。ITよりこっちの仕事のほうが、意味があります」

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「社会のストレスは「村づくりの肥やし」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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