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「コンロの岩谷」がなぜ水素?

牧野明次CEOが創業者から受け継いだ執念

2015年5月13日(水)

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カセットコンロやプロパンガスで知られる岩谷産業が、水素への積極的な投資を続けている。実は同社は、70年以上前から工場向けに水素を販売している老舗だ。最大の強みは水素を-253℃まで冷却して「液化水素」にする技術とノウハウ。2006年に本格的な液化水素プラントを建設した裏側には、同社の牧野明次会長兼CEO(最高経営責任者)が創業者から受け継いだ執念があった。

2015年度までに水素ステーションを20カ所整備する目標を掲げるなど、岩谷産業は水素に関してかなり積極的な投資を続けています。「水素の岩谷」という認識も広まってきた印象があります。

牧野:人気先行ではいけませんね。息切れしないようにしないと。「水素の岩谷」という認識が広まるのはありがたいことですが、それと利益が出るというのは別物ですから。今は先行投資の段階。利益は出ないが、誰かが先陣を切らなければならないということです。

現状では採算が合わないと。

牧野:全然、合いません。燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションだけで見たら、採算が合うまでに10年以上はかかるでしょう。近い将来にFCVが100万~200万台普及して、ステーションを利用するFCVが相当数増えない限り、ペイしない計算です。

岩谷産業の牧野明次会長兼CEO(最高経営責任者)は「水素に関してワンストップでサービスを提供できる唯一の企業だと自負している」と語る(写真:陶山 勉)

 そうした状況で水素ステーションを20カ所も整備する計画ですから、端から見れば過剰な投資に映るかもしれません。ですが、そんなことはありません。国や自治体が水素ステーションに補助金を出してくれるので、例えば都内では1カ所当たり2億円程度で建設できます。2014年度補正予算で運営費に対する補助金も始まります。そこまで大きな持ち出しにはならないでしょう。

 もっとも、いつまでも補助金に頼るわけにはいきません。補助が出る間に、なんとか独り立ちできるようにしたい。そのためには、建設費のコストダウンと、FCVの普及のどちらも必要なのです。

 現時点では、水素社会の扉はほんの少しだけ開いた状態です。我々が水素ステーションを建設したり、関連機器を開発したりするだけでは到底足りません。他社にもどんどん参入してほしい。水素の製造や、水素を活用する商品の開発――。技術を競い合わなければ本当の意味で、水素社会は到来しないでしょう。

2014年7月に開業した岩谷産業の「尼崎水素ステーション」。商用として全国初の水素ステーションとなった

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「「コンロの岩谷」がなぜ水素?」の著者

島津 翔

島津 翔(しまづ・しょう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学大学院工学系研究科修了、日経BP社に入社。建設系専門誌である日経コンストラクション、日経アーキテクチュアを経て、2014年12月から日経ビジネス記者。担当分野は自動車、自動車部品。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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