• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「ヴォーゲル声明」に逆襲託す韓国

米韓首脳会談が「外交戦第2ラウンド」に

2015年5月21日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「外交敗北」としょげ返った韓国。だが、直ちに元気を取り戻した。世界的な学者たちが「慰安婦」で助けに来てくれた、と信じたからだ。

日本孤立化作戦の失敗

韓国の「外交敗北ショック」は大きかったようですね。

鈴置:ええ、「米中両大国を味方につける外交戦で日本に負けた」と大騒ぎになりました。韓国人は「朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が両大国をうまく操り、日本を孤立に追い込んだ」と信じていました。

 でも「大成功した日本孤立化作戦」は、韓国政府とメディアの作った虚構だったことが露見してしまったのです(「ナポレオン3世に擬された朴槿恵」参照)。

 4月の「日中」と「日米」の2つの首脳会談により、中国は日本との関係改善を、米国は日本との同盟強化に動いていることが誰の目にもはっきりしました(「朴槿恵外交に噴出する『無能』批判」参照)。

 ことに、安倍晋三首相が米議会で演説したことに韓国人は大きな衝撃を受けました。「慰安婦で謝罪しない安倍には演説させるな」と国を挙げて米国に働きかけていたからです(「『アベの米議会演説阻止』で自爆した韓国」参照)。

 そこで「韓国こそが孤立しているではないか」とメディアが政府の責任を追及するまでになったわけです。虚構作りには多くのメディアも加担していましたから、責任転嫁そのものですが。

「戦略的敗北」は無視

では、韓国メディアは外交的な孤立から脱するために「米中どちらに付くべきだ」と主張しているのですか。

鈴置:そこが興味深い点です。大手メディアは米中の間の立ち位置に関しては、上手に言及を避けています。

 ほとんどすべての新聞が社説で「日米が新蜜月関係に入った。韓国も米国との関係を強化すべきだ」と主張します。

 しかし同時に、保守系、左派系を問わず「中国との関係ももっと良くすべきだ」と書くのです。要は「きれいごと」です。

 「米中双方と良好な関係を築け」とは言っても、それが難しくなったからこそ、韓国は苦境に立っているのですけれどね。

「大騒ぎ」になっているのになぜ、そんな曖昧な主張で終わってしまうのでしょうか。

鈴置:韓国人がショックを受けたのは、あくまで「日本を孤立に追い込んだはずが、実は自分が孤立していた」ことなのです。

 大手メディアは、米国が「慰安婦」で日本に軍配を上げたのは日本のカネに負けたから――と総括しました。「カネ」とは議会工作や、対米軍事協力の拡大を指します。要は、戦術的な失敗と捉えたのです。

 その結果、敗北の根にある戦略的な問題――「二股外交」の危さに目が行かなくなったのです。だからメディアは依然として「米中両大国と仲良く」と、理想論を書き続けるのです。

待望の第5弾 最新刊 ◎3刷出来!◎
Amazon【韓国・北朝鮮の地理・地域研究】部門
ベストセラー1位獲得!
「三面楚歌」にようやく気づいた韓国

中国に従いながら、米国との関係も維持を…
「二股外交」の策を弄し続けてきた韓国。
しかし気づけば、日本、北朝鮮、そして米国にもそっぽを向かれる「三面楚歌」に。
いよいよ中国の手のひらで踊るしかない状況に「従中」か「米陣営に戻る」か「中立化」か国論は分裂、焦燥感と閉塞感が社会を覆う。
揺れる韓国が招く北東アジアの流動化、新たな勢力図と日本の取るべき進路を、読み切る。

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』に続く待望のシリーズ第5弾。オンライン未掲載のオリジナル年表なども収録。3月9日発行。

コメント43

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

一覧

「「ヴォーゲル声明」に逆襲託す韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本当の問題は労務費ではありません。 熟練技能を持つ職人さんが 少なくなっていることです。

押味 至一 鹿島社長