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本当のグローバル企業には「グローバル人材」など必要ない

無益な海外遊学制度が、現地の士気を下げている

2015年5月27日(水)

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 前回は、グローバル化した世界において、複雑に絡み合う価値の連鎖構造を経営できる経営人材をどのように育てていけばいいのかを考えました。

 潜在的なリーダーは、機会を成果につなげる実践を積み重ねることで、世界的経営者と成長していきます。しかし機会が与えられなければ、こうした成長の連鎖は起こり得ません。

 若くして活躍している経営人材の影には、「ごぼう抜き人事」を実現させた経営幹部が存在します。日本企業には、より多くの「機会を与える人」が必要であると議論しました。

 では逆に、グローバル経営においては、どのような「グローバル人材」が必要なのでしょうか。 一般に言われているような「グローバル人材の育成」が、本当に必要なのでしょうか。今回はグローバル経営を志向する企業が、どのような「グローバル人材」を 求めるべきかを考えてみたいと思います。

本社から現地に「押し付けられる」グローバル人材

 近年、多くの企業で未来の国際経営を担う人材を育成するべく、グローバル人材の養成プログラムを実施しています。

 しかし、私の知る限りにおいては、グローバル人材プログラムを推進しようとする本社と、そのプログラムで派遣される人材を受け入れる現地の拠点の間には大きな温度差があるようです。

 つまり、本社としては全社肝いりで推進しているグローバル人材育成のプログラムも、実際に前線で戦っている現場からすると、余計な負担にすぎない、ほとんど意味がないのではないかという意見です。

 私は海外拠点の責任者の方々から、「中途半端なグローバル人材は求めていない」という声を数多く聞いています。どうも掛け声と実態の間に乖離があるようなのです。

 実際、現地の立場からすると、実務経験数年、現場経験も浅く、語学能力も限定的、 リーダーとして組織を率いた経験のない人材を本社から派遣され、しかも場合によっては費用負担まで迫られるとすると、使いように困るのではないでしょうか。

 もちろん一部に即戦力の人材もいるようですが、大半の人材は現地の実情の理解も浅く、また現地ですぐに役立つ専門知識も不足しているようです。そのため、逆にその存在が現地の優秀なスタッフのモチベーション低下にすらつながり、悪影響をもたらしているというのです。

 もし何人かの企業幹部の方が言われるように、実際に現地に派遣される「グローバル人材候補」の大半が現実的にはお荷物になっているのであれば、そこには深刻な需要と供給のミスマッチが起きています。

コメント7件コメント/レビュー

“日本全体で下らない文系大学に進学すると人生詰むということを広めて安易な進学を蔑む風潮を作っていった方が良いと思いますよ。”同意します。
親類に2人ニートが発生しました。両方とも大学(文系)出です。一方高卒やら専門学校卒やらの親類は皆立派に前向きに働いてます。やりたいことも無いのに大学いっても仕方ないのです。
ただ私はあくまで「安易な」進学を否定するのであって,大学進学には肯定的です。進学してからどうするかは自由です。進学しないとその自由の幅は狭まります。子どもの頃から将来についてきちんと考えて,目的意識を持って進学して欲しいです。(2015/08/13 13:28)

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「本当のグローバル企業には「グローバル人材」など必要ない」の著者

琴坂 将広

琴坂 将広(ことさか・まさひろ)

立命館大学国際経営学科准教授

慶応義塾大学環境情報学部卒業。在学時、小売・ITの領域において3社を起業、4年間にわたり経営。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て英オックスフォード大学で博士号取得(経営研究)。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

“日本全体で下らない文系大学に進学すると人生詰むということを広めて安易な進学を蔑む風潮を作っていった方が良いと思いますよ。”同意します。
親類に2人ニートが発生しました。両方とも大学(文系)出です。一方高卒やら専門学校卒やらの親類は皆立派に前向きに働いてます。やりたいことも無いのに大学いっても仕方ないのです。
ただ私はあくまで「安易な」進学を否定するのであって,大学進学には肯定的です。進学してからどうするかは自由です。進学しないとその自由の幅は狭まります。子どもの頃から将来についてきちんと考えて,目的意識を持って進学して欲しいです。(2015/08/13 13:28)

御説の通り「言葉の一人歩き」の害の典型的な例だと思います。「グローバル人材」に限りません。元々は、現場での不都合から、ある種の能力を持った人が欲しいなぁ、という実際の要求から始まったはずです。その要求を分析し「グローバル人材」という形で抽象化しまとめ宣伝した人たちがいた。そこまでは、悪くはないかもしれません。悪いのは、今度は、抽象化された、定義の曖昧な「グローバル人材」が必要だ、という風潮になってしまったことです。曖昧な種類の人材ですから、曖昧な目標に基づいた方針で育てようとします。■要は、抽象化を「理解」に役立てるのは良いですが、実際に使う場合には、具体化しなくてはならない、ということです。具体化せずに抽象度の高いまま使おうとすると、的外れになる、そういう例なのでしょう。(2015/08/13 11:23)

グローバル人材について、企業の考え方とアンマッチがあると思われる。企業経営者は英語が話せることを第一とかんがえているが実態は仕事のできるモチベッションの高い人材がトップであると考える。なぜなら英語とか現地語は努力すれば手にいるものでツールである。本人のモチベッションを落とさない本社人事が求められていると考える。(2015/05/28)

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