• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

本当のグローバル企業には「グローバル人材」など必要ない

無益な海外遊学制度が、現地の士気を下げている

2015年5月27日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回は、グローバル化した世界において、複雑に絡み合う価値の連鎖構造を経営できる経営人材をどのように育てていけばいいのかを考えました。

 潜在的なリーダーは、機会を成果につなげる実践を積み重ねることで、世界的経営者と成長していきます。しかし機会が与えられなければ、こうした成長の連鎖は起こり得ません。

 若くして活躍している経営人材の影には、「ごぼう抜き人事」を実現させた経営幹部が存在します。日本企業には、より多くの「機会を与える人」が必要であると議論しました。

 では逆に、グローバル経営においては、どのような「グローバル人材」が必要なのでしょうか。 一般に言われているような「グローバル人材の育成」が、本当に必要なのでしょうか。今回はグローバル経営を志向する企業が、どのような「グローバル人材」を 求めるべきかを考えてみたいと思います。

本社から現地に「押し付けられる」グローバル人材

 近年、多くの企業で未来の国際経営を担う人材を育成するべく、グローバル人材の養成プログラムを実施しています。

 しかし、私の知る限りにおいては、グローバル人材プログラムを推進しようとする本社と、そのプログラムで派遣される人材を受け入れる現地の拠点の間には大きな温度差があるようです。

 つまり、本社としては全社肝いりで推進しているグローバル人材育成のプログラムも、実際に前線で戦っている現場からすると、余計な負担にすぎない、ほとんど意味がないのではないかという意見です。

 私は海外拠点の責任者の方々から、「中途半端なグローバル人材は求めていない」という声を数多く聞いています。どうも掛け声と実態の間に乖離があるようなのです。

 実際、現地の立場からすると、実務経験数年、現場経験も浅く、語学能力も限定的、 リーダーとして組織を率いた経験のない人材を本社から派遣され、しかも場合によっては費用負担まで迫られるとすると、使いように困るのではないでしょうか。

 もちろん一部に即戦力の人材もいるようですが、大半の人材は現地の実情の理解も浅く、また現地ですぐに役立つ専門知識も不足しているようです。そのため、逆にその存在が現地の優秀なスタッフのモチベーション低下にすらつながり、悪影響をもたらしているというのです。

 もし何人かの企業幹部の方が言われるように、実際に現地に派遣される「グローバル人材候補」の大半が現実的にはお荷物になっているのであれば、そこには深刻な需要と供給のミスマッチが起きています。

コメント7

「ボーダーレス経営論~情報過多時代の「未知先」案内」のバックナンバー

一覧

「本当のグローバル企業には「グローバル人材」など必要ない」の著者

琴坂 将広

琴坂 将広(ことさか・まさひろ)

立命館大学国際経営学科准教授

慶応義塾大学環境情報学部卒業。在学時、小売・ITの領域において3社を起業、4年間にわたり経営。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て英オックスフォード大学で博士号取得(経営研究)。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト