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京都発ショービジネス、世界へ

外国人も絶賛、「言葉の壁」のない近未来パフォーマンス

2015年6月5日(金)

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写真:演劇でもミュージカルでもサーカスでもないエンターテインメント「ギア-GEAR-」。パフォーマンスにプロジェクションマッピングや光るドレス、レーザービーム等、最新技術をシンクロさせる演出は圧巻。(画像提供:©Yoshikazu Inoue)

 国が成長戦略の柱の一つに掲げるクールジャパン政策。日本の文化やコンテンツを発信、海外需要を獲得し経済成長につなげようとするものです。ここでいうコンテンツとは2004年に成立した「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(通称:コンテンツ推進法)」に定義される漫画やアニメ、ゲーム、放送、映画、音楽、演劇、文芸等を指します。

 日本のコンテンツの海外輸出比率は米国(17.8%)の約3分の1の5%で、しかもその97%は家庭用ゲームの売り上げです。近年、アニメの海外輸出は大きく落ち込み、ピーク時の半分程度。放送番組も年々減少しており、市場規模は国内約3.7兆円に対し、輸出はわずか0.15%の約63億円(うち42%はアニメ)。200億円超の韓国の3分の1にも満たないのが現状です。

 これに対し、経済産業省のクールジャパン戦略は(1)魅力の発信で「日本ブームを創出」、(2)現地で「関連商品等の販売」を増大、(3)「訪日観光誘致」で国内消費拡大という3段階のシナリオを描いています。具体的には翻訳やグローバル市場向けリメイクなどのローカライズの支援、海賊版対策、番組枠獲得やスポンサー企業とのマッチング、プロモーションの支援のほか、民間では難しい海外需要獲得の基盤となるプラットフォーム(拠点)やサプライチェーン(流通網)などの整備を行う官民ファンド「クールジャパン機構」を設立。リスクマネー(ハイリスク・ハイリターンの投資に投入される資金)の供給を呼び水として海外展開の成功モデルの創出を行うとして、設立時に300億円、2013年度は500億円、2014年度は300億円が政府予算から投じられています。

 下敷きにしたのは1997年のアジア通貨危機に直面した韓国が取ったコンテンツ振興策です。韓国コンテンツの輸出は1998年、金大中大統領が国家基幹産業として文化産業を育成すると宣言、振興策を加速させたことで活性化。日本では2004年のテレビドラマ「冬のソナタ」の放映をきっかけに韓流ブームが起きました。

 経済産業省は「コンテンツ産業の現状と今後の発展の方向性」の中で、韓国の歴代政権が一貫してコンテンツ産業の育成に注力したことや、2012年に振興予算が3987億ウォン(約283億円)に達したことに注目していますが、果たして100億単位の巨額な投資に見合うリターンは見込めるのか。韓流ブームはすでに去り、その轍を踏まない戦略が問われるところです。

 そもそも高く評価される有望な市場であれば、こうした後押しがなくても企業はイケイケで参入しても良いはずですが、支援に頼るのは「有望な市場」という見込み自体が甘いのか、自らリスクを取って海外に出ていく事業者がいないのか、またはノウハウやビジネスモデルを構築する能力を持たないのか、あるいはそのすべてか。日本は技術やものづくりのクリエイターとしては優れているが売る力は弱いと言われてきました。

 本当に日本のコンテンツ力が高いのなら、なぜそれをディズニーやUSJのようなテーマパークやミュージカル、シルクドソレイユなどのパフォーマンスに昇華、グローバルなビッグビジネスへと成長発展させることができないのでしょうか。海外展開できない理由としてよく言語の問題が挙げられます。確かに言語は大きなボトルネックですが、問題はそこでしょうか。

 今回はそんな疑問にショービズ(ショービジネス)界の「劇場&パフォーマンス」というジャンルから切り込んでみます。「劇場&パフォーマンス」は、アメリカではブロードウェイの演劇やミュージカル、フランスはオペラやバレエ、イギリスではオペラやミュージカルに加えシェークスピア劇も有名です。世界の名だたる観光地には必ずこうした「劇場&パフォーマンス」があり、観光目的の1つにもなっています。しかし、日本ではそうしたトラベルマーケットを意識するものはほとんど見当たりません。

 そんな中、旅行口コミサイトのトリップアドバイザーで昨年、京都市内の350の観光スポットのうち、1位の伏見稲荷大社に次いで2位に、ある「劇場&パフォーマンス」が選ばれました。2012年4月に公演を開始。外国人観光客の人気も高く、今年6月には1000公演、延べ6万人の動員を達成する、その取り組みから日本のコンテンツの課題と可能性を考えます。

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「京都発ショービジネス、世界へ」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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