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「こころ教」と「原理主義」の時代が来る?

ビジネスパーソンのための仏教入門(4)

2015年6月6日(土)

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(前回の「お寺の税金が免除されている理由」から読む)

日本仏教教団が最近、しきりに唱えるキャッチフレーズが「心」や「生きる」。原始仏教の第一人者、佐々木閑・花園大学教授はこの現象を「こころ教の時代の到来」と読む。一方で、宗教の原理主義化の予兆もある。ビジネスパーソンのための仏教講座の第4回目は仏教教団の衰退の理由と、日本の宗教の未来予想図について。

「人生引き受ける」覚悟を

地方再生と寺の関係に関して伺います。例えば寺が地域の紐帯だと言われた時代がありました。今、疲弊する地方都市を再生させるためには、寺を活用したらいいんじゃないかという意見がありますが、先生のご意見はどうでしょう。

佐々木:それはあくまでも仏教の場として使うなら有効だと思います。でも、境内でただ単にジャズコンサートを開くなどというのは意味がないでしょう。人が集まればいいという話じゃないと思います。人だけ集めたいならタレントを呼んでくれば、どこにだって人は来ます。

落語会など、寺でのイベントは、よくやりますよね。

佐々木 閑(ささき・しずか)氏
1956年、福井県の浄土真宗の寺に生まれる。京都大学工学部工業化学科および同文学部哲学科仏教学専攻卒業。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。米カリフォルニア大学バークレー校留学などを経て、現在、花園大学文学部仏教学科教授。2003年、鈴木学術財団特別賞受賞。NHKのEテレ「100分de名著」に出演、「ダンマパダ」「般若心経」「涅槃経」などについて解説。著書に『出家とはなにか』(大蔵出版)、『日々是修行 現代人のための仏教100話』(ちくま新書)など多数。(写真:杉本幸輔、以下同)

佐々木:人が集まっていること自体が、仏教が興隆している証拠だ、盛り上がっている証しだと思っている向きがありますが、見当外れも甚だしいです。仏教で生きていきたいと思う人がどれだけ増えたかが、仏教興隆の物差しなのです。人が一時、寺に集まっても、その人たちが仏教に期待を持って集まってくれるのでなければ意味はありません。

 寺に人を集めるのは結構ですが、それは必ず仏教に関するテーマで集めなくてはいけません。他の場所ではなく、寺でなければできないような、仏教でなければ得られないようなものが手に入る、そういうイベントであって初めて意味があると思います。

仏教に関することに限定するのですね。

佐々木:厳しいことを言えば、「たまに住職の話を聞くと、ちょっと心が軽くなる」といった程度の説教話にはさほど意味がないと思います。「その人の人生を引き受けます」という覚悟を示すことが大事です。

 「サンガに入りなさい」とは、サンガのない日本では言えませんが、とにかくあの寺に行けばいつでも必ず相手をしてくれて、そして自分の色々な苦労を十分に分かち合ってくれるという、そういう存在であるならば寺には意味がありますね。要は、その寺がどれくらい他人の人生を引き受けてくれるか、その度合いがその寺の価値になってくるということです。

たちまち増刷!『寺院消滅~失われる「地方」と「宗教」~』発売中

今、全国各地にある7万7000の寺院や墓地が消えようとしています。地方の衰退、核家族化、日本人の死生観の変化などが原因です。地方から寺院や宗教が消えゆく実態を全メディアに先駆けて現地調査、ルポした書籍『寺院消滅~失われる「地方」と「宗教」~』が発売になりました。解説は、元外務省主任分析官の佐藤優氏。ルポのほかに、芥川賞作家・玄侑宗久氏ら識者との対談などを通じて、寺院や僧侶のあり方を問い直した1冊です。


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「「こころ教」と「原理主義」の時代が来る?」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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