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潜入、ファナックの「主戦場」

黄色い人々との対面

2015年6月9日(火)

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 4月1日、山梨県忍野村にあるファナックの本拠地を初めて訪れた筆者は、その黄一色の外観に衝撃を受けた(参考:「黄色い最強製造業、ファナックの謎」)。もっとも、外観を眺めているだけでは特集は作れない。初めて黄色い壁の内側に入る機会を得たのは4月14日。ファナックが取引先向けに開く「新商品発表会(オープンハウス)」の取材だった。

「新製品」じゃなくて「新商品」ね

 「10時半に新幹線の三島駅に集合ね。ここからファナックが取引先向けにバスを用意しているから一緒に乗っていきましょう。2人で申し込んでおいたからね」

 先輩との前日の約束通り、10時半に駅に到着するも姿は見えない。電話にも出ない。

 駅前で待つ2台のバスは既に関係者を乗せ、発車準備を整えている。うち1台は既に満席だ。もしかして先輩寝坊か。一人であの黄色い会社を取材するのは正直心細い。どうしようとオロオロしていると、バスが発車するギリギリの時間に電話が鳴った。

 「何やってるの?私もう満席のバスの方に乗っちゃってるよ」。

 まだ席が空いていた2台目のバスに慌てて乗り込む。あと少し電話がかかってくるのが遅かったら、取り残されるところだった。

 三島駅からファナック本社までは1時間程度。「ファナック通り」から敷地に入り、林を抜けると会場が見えてきた。エントランスは取引先の関係者や黄色いジャケットを羽織ったファナック社員でごった返している。遠方から訪れる取引先も多そうだ。

 「こうした新製品発表会は頻繁に開かれているんですか?」

「いいえ、年に1度だよ。国内だけじゃなくて、国外からも取引先を招いて、新商品や試作機を紹介しているの。ちなみに『新製品』じゃなくて『新商品』発表会ね。ファナックでは『商品』と『製品』を明確に区別しているらしいわ。『製品』はただ作ったもの。抜群の競争力と高い利益を生み出す製品だけを『商品』と呼ぶんだって」

 相変わらず先輩の「ファナック豆知識」はとどまることを知らない。もう先輩だけで特集を作れるんじゃないだろうか。存在意義を自問していると、横で先輩がささやいた。「この発表会に4回ほど来てるけど、最近ちょっと雰囲気が変わったんだよね。うまく言えないんだけど、明るくなった感じがする」。先輩がほのめかした「ファナックの変化」、これは特集の主要テーマである。詳細は本誌をご覧いただきたい。

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「潜入、ファナックの「主戦場」」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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