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イルカにはどのように物が見えているのか

東海大学 イルカの認知科学・感覚生理学 村山司(2)

2015年6月13日(土)

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イルカと話しがしたい――。高校生の時に映画「イルカの日」を見てそう思って研究者を志し、20年以上イルカと話す研究を一歩一歩進めてきた東海大学海洋学部の村山司さん。そのパートナーであるシロイルカの“ナック”と村山さんに会いに水族館へ行ってみた!

(文=川端裕人、写真=的野弘路)

 動物としゃべれたらどれだけ素敵だろう。

 古来から、我々、人間は動物との会話に憧れてきた。旧約聖書のソロモン王が、大天使から与えられた指環を使って動物と話した逸話は、繰り返し引用される。近代動物行動学の祖の1人、コンラート・ローレンツのベストセラーは、そのものずばり『ソロモンの指環』だ。

村山司教授がイルカと話す研究を行っている鴨川シーワールドにて。

 さらにいえば、13世紀イタリアの聖人アッシジのフランチェスコも、動物と話した逸話を持つ。19世紀の作曲家、リストは「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」というピアノ曲を作り、20世紀の初期の環境保護活動家たちは、聖フランチェスコを「守護聖人」のように扱った。さらにさらに、近代的な創作の世界では、ロフティングが創造した獣医師ドリトル先生をはじめ、動物の言葉を解する能力者があちこちに登場する。

動物と話すお話は数多

 一方で、動物の方が、人間の言葉を理解し、語りかけてくれるパターンも多い。民話や神話はもちろん、創作でも頻出だ。日本では、狐や狸が人間を化かしてきたし、犬や猿や雉が人間と一緒に鬼退治することもある。ミッキーマウスは世界で一番有名なしゃべるネズミだ。ぼくが愛してやまないSF作家、デイヴィッド・ブリンの『知性化宇宙』シリーズでは、知性を増強されたイルカが登場する。とっさの判断力や三次元空間把握能力に長けるため宇宙船パイロットに多く採用されており、彼らは詩や俳句の形式で話す。

 本当に、枚挙にいとまがない。ここに挙げたのは、ぱっと思いついた範囲の話であって、読者はそれぞれ自分のバージョンを、それほど重複なしに作ることができるだろう。「動物と話す」というのは、我々の心をとらえてはなさない一大トピックだ。

 東海大学海洋学部の村山司教授は、動物の中でも、とりわけイルカと話すための研究を心に思い定めて歩んできた人物だ。きっかけは、高校生の時に見た映画だったという。

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「イルカにはどのように物が見えているのか」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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