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米国も今度は許す? 韓国の核武装

核抑止論が専門の矢野義昭客員教授に聞く(1)

2015年6月11日(木)

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 韓国で浮上する核武装論。核抑止論が専門の矢野義昭・拓殖大学客員教授(元・陸将補)は「今度は米国も認めるかもしれない」と言う(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

朴正煕時代から核開発

矢野義昭(やの・よしあき)
岐阜女子大学客員教授、日本経済大学大学院特任教授、拓殖大学客員教授、博士(安全保障、拓殖大学)。専門は核抑止論、対テロ行動、情報戦。1950年大阪市生まれ。京都大学工学部機械工学科を卒業後、京都大学文学部中国哲学史科に学士入学し卒業。1975年、陸上自衛隊幹部候補生学校入校。以来、普通科幹部として第6普通科連隊長兼美幌駐屯地司令、第一師団副師団長兼練馬駐屯地司令などを歴任。2006年小平学校副校長をもって退官(陸将補)。2014年、フランス戦争経済大学大学院において共同研究。単著に『日本はすでに北朝鮮核ミサイル200基の射程下にある』(光人社、2008年)、『核の脅威と無防備国家日本』(光人社、2009年)、『あるべき日本の国防体制』(内外出版、2009年)、『日本の領土があぶない』(ぎょうせい、2013年)、『イスラム国 衝撃の近未来』(育鵬社、2015年)がある。

矢野:鈴置さんの記事「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」を面白く読みました。

誰も止めない北朝鮮の核武装。これに焦った韓国の保守が「いつでも核武装できる権利――核選択権――を我が国も持つと宣言しよう」と呼び掛けた、との話でした。

矢野:それを「宣言抑止」と言います。核兵器を持たない国が「あなたが核で私を脅したら、こちらも即座に持つよ」と予め宣言しておくことにより、仮想敵の核攻撃や威嚇を防ぐ手法です。

 もちろん核兵器を短期間に開発できる能力があることが前提となります。そして韓国はその能力を持っています。朴正煕(パク・チョンヒ)時代からプルトニウムの抽出技術に取り組んだ結果です。

 弾道ミサイルや巡航ミサイルなど、核の運搬手段もすでに保有しています。6月3日、韓国軍は射程500キロの地対地の弾道ミサイルの発射に成功しました。射程800キロのミサイルも開発中です。また、潜水艦から発射する巡航ミサイルも開発済みです。

朝鮮半島に「核の均衡」

鈴置:注目すべきは「作ってしまえば、米国も核武装を認めてくれる」と韓国人が考え始めたことです。

矢野:まさに、そこがポイントです。私も、韓国の核武装を米国が黙認する可能性が高いと見ています。北朝鮮の核武装を止める手立てがほぼない、という厳しい現実からです。

 鈴置さんがあの記事で指摘したように「北が核を持つことで、南を軍事的に挑発する可能性」が増しました。つまり、米国から見れば戦争に巻き込まれるリスクが高まったのです。

 このリスクを減らすには韓国にも核武装させて、南北朝鮮の間で「核の均衡」を作ればよい、という理屈になるのです。

 例えば、仮想敵に囲まれるイスラエルの核武装を米国が黙認したのも、中東での戦争に巻き込まれないためです。

米国が日本と進めるミサイル防衛(MD)に韓国も加わればいいのではないですか。

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「三面楚歌」にようやく気づいた韓国

中国に従いながら、米国との関係も維持を…
「二股外交」の策を弄し続けてきた韓国。
しかし気づけば、日本、北朝鮮、そして米国にもそっぽを向かれる「三面楚歌」に。
いよいよ中国の手のひらで踊るしかない状況に「従中」か「米陣営に戻る」か「中立化」か国論は分裂、焦燥感と閉塞感が社会を覆う。
揺れる韓国が招く北東アジアの流動化、新たな勢力図と日本の取るべき進路を、読み切る。

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「米国も今度は許す? 韓国の核武装」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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