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10年後には「北朝鮮」がもう1つ?

核抑止論が専門の矢野義昭客員教授に聞く(2)

2015年6月12日(金)

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 米国が止めても韓国は核武装する――。矢野義昭・拓殖大学客員教授(元・陸将補)と「朝鮮半島の核」の展開を読んだ(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

大戦争はできない米国

前回の矢野さんのお話は、韓国の核武装を米国が黙認するかもしれない。北朝鮮の核武装に加え、米国の軍事戦略が世界的に変わったからだ、ということでした。

矢野義昭(やの・よしあき)
岐阜女子大学客員教授、日本経済大学大学院特任教授、拓殖大学客員教授、博士(安全保障、拓殖大学)。専門は核抑止論、対テロ行動、情報戦。1950年大阪市生まれ。京都大学工学部機械工学科を卒業後、京都大学文学部中国哲学史科に学士入学し卒業。1975年、陸上自衛隊幹部候補生学校入校。以来、普通科幹部として第6普通科連隊長兼美幌駐屯地司令、第一師団副師団長兼練馬駐屯地司令などを歴任。2006年小平学校副校長をもって退官(陸将補)。2014年、フランス戦争経済大学大学院において共同研究。単著に『日本はすでに北朝鮮核ミサイル200基の射程下にある』(光人社、2008年)、『核の脅威と無防備国家日本』(光人社、2009年)、『あるべき日本の国防体制』(内外出版、2009年)、『日本の領土があぶない』(ぎょうせい、2013年)、『イスラム国 衝撃の近未来』(育鵬社、2015年)がある。

矢野:東アジアと西太平洋で、米中の軍事的な力関係が逆転する可能性が出てきました。米国は今後10年間で1兆ドル近い国防費を削減します。一方、中国は成長率の鈍化にもかかわらず毎年、軍事費を2桁のペースで増やしています。

 米国の陸軍と海兵隊は、アフガン戦争以前の水準に削減されます。そんな米国に、数10万人もの死傷者が出るような大規模の地上戦はもう、不可能なのです。

 米国が絶対に避けたいのは2つ。まず、中国との核戦争に拡大する恐れのある紛争に巻き込まれること。もう1つは大規模の地上兵力を長期に派遣すること、です。

鈴置:米国は、同盟国を守るという約束を果たせるのでしょうか。

矢野:難しくなります。米国は今でさえ、1つの戦争をすることで精一杯です。下手すると今後は、同盟国の領土の回復にさえ直接は関与できなくなります。

 そこで「韓国や日本などの同盟国が独自の核抑止力を持つことを黙認し、中国や北朝鮮の侵攻を防ぐ」という選択を米国がするかもしれない、との見方が広がっているのです。

有事の際、米軍は後退

鈴置:ブレジンスキー(Zbigniew Kazimierz Brzezinski)元・大統領国家安全保障担当補佐官が「米国の力が弱まると、その核の傘の信頼性が落ちる。すると韓国や台湾、日本、トルコ、ひいてはイスラエルでさえ新たな核の傘を求めるか、自前の核武装を迫られる」と書いたのも、そうした判断からなのですね。

 2012年に出版した「Strategic Vision: America and the Crisis of Global Power」の114ページです(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

米国が「エア・シー・バトル」(Air Sea Battle)という、新しい戦争の方法を検討してきたと聞いています。

矢野:その構想でも、有事の際は中国のミサイルの集中攻撃を避けるため、在韓米軍も在日米軍もいったんは後方に分散退避することになっています。今後は基本的には韓国の防衛は韓国の、日本のそれは日本の責任となります。

 背景には、中国の中距離以下のミサイルの増強があります。その脅威から逃れるため、米軍はグアム以東に後退します。米国の一部シンクタンクは、米軍が反攻に転じるのは1カ月以上先になると見積もっています。

 2015年4月に18年ぶりに改定した日米防衛協力のための指針(ガイドライン)では、日本有事の作戦構想から地上作戦時の「極力早期の兵力来援」や、米空海軍による「打撃力の使用を伴う作戦」を示す文言は抜け落ちました。

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コメント25件コメント/レビュー

必敗の精神が充満している国では、核があっても必ず負けます。つまり核武装なんか無意味。実験をして少なくとも爆発した核の方が、実験も出来ていない核より信頼性は上。脅し合いになった時、爆発を信用できなければ腰砕けです。必敗が当然と思っている人間は脅し合いも出来ませんでしょう。「中国は、台湾の核武装を侵攻の条件の1つに掲げている」そんなものはただの脅し。ある日突然所有すれば手出しは出来なくなりますね。但し、国中に核を落とすと言われて怯んだら負け。主席の命に別条が出るような脅しが出来れば勝ち。単純なことです。(2015/06/16)

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「10年後には「北朝鮮」がもう1つ?」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

必敗の精神が充満している国では、核があっても必ず負けます。つまり核武装なんか無意味。実験をして少なくとも爆発した核の方が、実験も出来ていない核より信頼性は上。脅し合いになった時、爆発を信用できなければ腰砕けです。必敗が当然と思っている人間は脅し合いも出来ませんでしょう。「中国は、台湾の核武装を侵攻の条件の1つに掲げている」そんなものはただの脅し。ある日突然所有すれば手出しは出来なくなりますね。但し、国中に核を落とすと言われて怯んだら負け。主席の命に別条が出るような脅しが出来れば勝ち。単純なことです。(2015/06/16)

MERSの韓国KBSニュースを見ていると、北朝鮮国営放送を見ているかのようです。(2015/06/15)

コメント欄で「何でも安倍のせい」と騒ぎたがる人たちは、軍事や地政学のリアルを無視し、頭の中で勝手なファンタジーを作り上げる。「日本はアジアでアメリカの代理戦争をやらされる?」(笑)集団的自衛権のなんたるかが分かっていませんね。現時点でもっともきな臭い地域である朝鮮半島と南シナ海は日米両国共に国益ど真ん中の最重要地域ですよ?それなのにアメリカ様は高みの現物だと?「経済制裁がある?」(笑)こんなもので国際問題を解決できないことぐらい、イランと北朝鮮を見れば明らかでしょう?要するに「何でも安倍が悪い!」と発狂するだけでは何の解決にもならないことを早く学んで欲しいものです。Grow up!(2015/06/14)

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