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カリスマ引退で弱体化するのか

実録、ライバルが見たファナックの変身(最終回)

2015年6月12日(金)

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 ファナックの周辺取材を進める中で、筆者(飯山辰之介、記者8年目)は多くの市場関係者から「ファナックが変わった」という話を耳にした。それは先輩(佐藤浩実、記者9年目)が取材期間中、何度となく繰り返してきた台詞でもある。いつも明るい先輩だが、「変化」を語る時は少し神妙な顔をする。6月8日号の特集「孤高の製造業 ファナック 利益率40%を生む異様な経営」の主要テーマが、ここに込められているからだ。
 結論を先取りして言うと、2013年、ファナックの経営体制は実際に大きく変わった。「そう。黄色はファナックの『戦いの色』なのよ!ファナックの実質的な創業者、稲葉清右衛門氏がそう定めて、何でも黄色に統一したのよ」。本連載の1回目、忍野村で先輩がこう力説していたのを覚えているだろうか。ファナックを最強製造業に育て上げたカリスマ、清右衛門氏は2013年に表舞台から完全に退き、息子の稲葉善治社長と3人の副社長らが経営のかじ取りを担うことになった。カリスマの引退で組織が弱体化した例は枚挙に暇がない。ファナックは大丈夫なのだろうか。

 ようやく先輩と問題意識を共有できたかもしれない、そう密かに喜ぶ筆者を尻目に、先輩はドイツに続き今度は東南アジアへ取材に飛び出していく。見送る筆者に先輩は今回、何本かの独自取材メモを残していってくれた。「ファナックの変化」を最も身近で感じているであろう、競合企業のファナックに対する見方だ。

【取材メモ1】
川崎重工業のロボット
2015年3月某日 @川崎重工業

 「ファナックが入り始めた」。川崎重工業の橋本康彦ロボットビジネスセンター長にとって、その光景は喜べないものだった。場所は、トヨタ自動車のとある工場。これまでファナックとトヨタは「相性が悪い」とされてきたのに、同社の生産現場にファナック製のロボットが試験導入されていた。

 トヨタは車体(ボディー)を組み立てるスポット溶接用に川崎重工業と不二越のロボットを、アーク溶接用に安川電機とダイヘンのロボットを使ってきた。「標準化」の意識が強いファナックよりも、「トヨタ仕様へのカスタマイズ」に喜んで取り組むこれらの企業のほうが、付き合いやすかったからだ。

 川重は今でも、トヨタのボディー溶接工程でのシェアを守っているし、両社が共同で取り組んでいる新工法もある。しかし、従来以上に自働化が進もうとしているエンジンやトランスミッション(変速機)の生産工程などで、ファナックの攻勢が目に付き始めた。

 「我々は以前からカスタマイズを強みにしてきたが、ファナックもただ『標準品を買って下さい』というやり方ではなくなってきた。(トヨタに対して)彼らもある程度のカスタマイズに取り組もうとしている」と橋本氏は言う。2014年頃から、ファナックの変化が顕著になり始めたそうだ。

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「カリスマ引退で弱体化するのか」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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