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沖縄が求めているのはカネではない!

沖縄に関する3つの誤解

2015年6月17日(水)

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 広報の専門家に言わせると、アンテナを張っていない相手にいくら情報を提供しても無駄である。すなわち、あまりに情報過多な今日、人々は吸収する情報を無意識のうちに選択している。そのため、多少なりとも興味を持っている事柄に関する情報でないと、スルーしてしまう。沖縄に興味の無い人たちにも興味を持ってもらえるよう、興味のある人たちにはさらに持ってもらえるよう仕向けることから始めないといけない。

 そこで、まず米戦略国際問題研究所(CSIS)という米シンクタンクに小論文を寄稿することから始めた。CSISは、約6000人に上る専門家(主に日本専門家、研究者たち)のリストを持っていると言われており、この専門家に向けにメールマガジンを発行している。タイトルは、「在沖縄米軍基地に関する3つの誤解」(英文)。後に、NIKKEI WEEKLY特別号にも同文を寄せた。

 沖縄に関する英文資料は乏しく、情報が錯綜しやすい。このため、有識者でも陥りがちな誤解を3点取り上げ、それを解くことを狙った。

 ありがちな誤解とは、
(1)沖縄経済は基地に大きく依存している、
(2)沖縄は小出し作戦を用いている。普天間飛行場を返還したら、次の基地の返還を求め、最終的にはすべての基地返還を求める。
(3)沖縄はカネが欲しいだけ。
である。

沖縄が求めているのは米軍基地の縮小

 (1)については、間違っていることが明らかだ。沖縄県の資料によれば、県民総所得において基地経済が占める割合は2006年時点で5.4%にすぎない。

 (2)については、以下の3点を挙げた。1つは、嘉手納飛行場より南に位置する海兵隊基地が返還されれば、その経済効果が大きいこと。沖縄は、経済効果が高いこれらの土地の返還を求めている。すべての在沖米軍施設(基地・演習場)用地の経済効果が高いわけではないからだ。

 ちなみに、米本国で行われる米軍基地反対運動は一般に、基地を縮小したり閉鎖したりすることに反対している。多くの米軍基地は人口が少ない地域に存在しており、縮小や閉鎖は地元から大きな雇用先を奪うことを意味する。沖縄における基地反対運動は、米国人が安易に想像しがちな反対運動とは正反対の声――すなわち基地の返還を求める声――であることを知ってもらう必要がある。

 2つめは、沖縄で大きな存在感を持つ海兵隊の縮小は地元感情を和らげることだ(沖縄に駐留するすべての米兵の過半を海兵隊員が占める)。海兵隊が引き起こす事故や事件(要は犯罪)は、他の軍種の兵が起こすものよりずっと多い(海兵隊員が事件・事故を引き起こしやすいというよりは、純粋に人数が多いという事情もある)。沖縄県によれば、2011年に起きた海兵隊員がらみの事件・事故は50件あった。対して空軍関連は27件、海軍関連は7件、陸軍関連は6件である。

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「沖縄が求めているのはカネではない!」の著者

吉川 由紀枝

吉川 由紀枝(よしかわ・ゆきえ)

ライシャワーセンター 研究員

慶応義塾大学商学部卒業。アクセンチュアに勤務。2005年コロンビア大学にて修士号取得後、ライシャワーセンターにてアジャンクト・フェロー。2012年-2014年は沖縄県知事公室地域安全政策課主任研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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